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この記事は、次のような悩みを持つ人に向けたものです。
セックスレスと浮気が同時に起きていると、「セックスレスだったから浮気したのか」「浮気していたからセックスレスになったのか」が分からなくなることがあります。
この記事では、両者の関係を3つのパターンに分け、浮気された側にも責任があるのか、離婚や慰謝料請求を考える場合に何を確認すべきかまで解説します。
セックスレスと浮気の関係は、「セックスレスだから浮気する」という単純なものではありません。主に次の3つが考えられます。
セックスレスが浮気の背景になる場合はあります。しかし、夫婦間に問題があったことと、配偶者に隠れて浮気をした責任は分けて考える必要があります。

セックスレスによって満たされない性的欲求を、配偶者との話し合いや関係改善ではなく、家庭外の相手との関係によって満たそうとするケースです。
家庭外の相手に向かう動機は性欲だけではありません。
承認欲求は性欲に劣らず浮気の強い動機になります。
配偶者から繰り返し拒まれることで、「必要とされていない」「異性として見られていない」と感じる場合があります。
その寂しさや傷ついた自尊心を埋めるため、別の異性に承認を求めます。
ただし、こうした感情は浮気の背景にはなっても、浮気を正当化する理由にはなりません。

浮気相手に気持ちや性的関心が向いた結果、配偶者との性交渉を避けるようになるケースです。
特に女性は、愛情を感じない対象とのスキンシップを嫌がる傾向が顕著です。
この場合、セックスレスは浮気の原因ではなく、浮気によって生じた変化の一つです。
発覚への不安から、配偶者との身体的な接触を避ける場合があります。
特に男性の場合、回数に限界があるので、家庭外で消費すると発覚しやすいです。
女性も性交中の反応の変化から察知されることを警戒します。
自分を守るためだけでなく、罪悪感からパートナーと性交渉を持てなくなる場合もあります。

夫婦間の会話が減った、対立が長期化した、互いへの関心が薄れたといった関係悪化が共通の原因となるケースです。
この場合、セックスレスから浮気が起きたとも、浮気からセックスレスになったとも限りません。
夫婦関係の悪化から、両方が並行して生じた可能性があります。
この場合、セックスレスと浮気のどちらかが他方の原因と説明するのは不適切です。

性交渉を拒んだ人が、浮気した配偶者から「拒んだお前が悪い」と責められ、自分にも非があったのではないかと悩むことがあります。
しかし、性交渉を避ける背景には、次のような事情が考えられます。
拒否したという事実だけを取り出して、その人に責任があると決めることはできません。
なぜ性交渉を避けるようになったのかという経緯まで考える必要があります。
浮気した方はそれを考えてあげるべきだし、された側も説明すべきです。
セックスレスの改善には夫婦双方の働きかけが必要な場合がありますが、それと、配偶者に隠れて浮気をした責任とは別の問題です
夫婦関係に不満があったことと、配偶者に隠れて第三者と性的関係を持ったことは分けて考える必要があります。
話し合い、夫婦カウンセリング、別居、離婚など、浮気以外の選択肢もあったからです。
セックスレスになった事情が考慮される可能性はありますが、それだけで浮気した側の責任がなくなるわけではありません。
浮気をした配偶者が、「拒んだお前が悪い」「夫婦生活に応じていれば浮気しなかった」と責任を転嫁することがあります。
しかし、性交渉を拒んだ事情や、夫婦間で解決に向けた話し合いが行われたかを無視して、浮気の責任を一方的に負わせることはできません。

まず、セックスレスになった時期と、浮気が始まったと考えられる時期を時系列で整理します。
どちらが先だったのかによって、夫婦関係の変化や配偶者の説明の意味が変わります。
「セックスレスだから浮気した」という説明に矛盾がないかを確認する材料にもなります。
急に性生活がなくなったことは、浮気の兆候の一つになる場合があります。しかし、それだけで浮気をしているとは判断できません。
仕事のストレス、病気、服薬、加齢、妊娠・出産、育児など、浮気以外にもさまざまな原因があります。
帰宅時間や外出の増加、支出、スマートフォンの扱い、服装の変化など、ほかの不自然な行動が重なっていないかを確認します。
証拠がない段階で問い詰めると、警戒されて浮気の証拠を消されたり、その後の行動を慎重にされたりする可能性があります。
離婚や慰謝料請求まで考えている場合は、感情的に問い詰める前に、客観的な事実を確認することが重要です。
親密なメッセージや二人で食事をした事実だけでは、法律上の不貞行為を証明できないことがあります。
必要な証拠の内容を理解し、自力での確認が難しい場合は、弁護士や探偵への相談を検討します。
この章は、離婚を視野に入れている方のための内容です。
離婚協議がうまくいかず、裁判までもつれ込んだ場合について少し注意を述べておきます。
| 協議 |
まず夫婦の話し合いをします。離婚の理由は自由です。 |
|---|---|
| 調停 |
協議で合意できず、片方が離婚を望み、他方が拒否している場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。 |
| 裁判 |
調停も不成立なら、離婚裁判です。離婚か否かについて、裁判官が強制力のある判決を出します。 |
※2026年4月1日施行の改正民法により、「強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき」は独立の離婚事由から削除され、今後は婚姻継続の難しさとして総合的に判断されます。これにより、法定離婚事由は5つから4つに変わりました。
裁判にまでなってしまった場合、セックスレスを理由にすると、法定離婚事由の第4号「婚姻を継続し難い重大な事由」に分類されてしまいます。
セックスレスだけで直ちに離婚が認められるわけではありません。
期間、理由、夫婦間の話し合い、別居の有無などから、婚姻関係が修復困難なほど破綻しているかが総合的に判断されます。
独立の事由である第1号の不貞行為(不倫・浮気)より認められにくい傾向にあります。
浮気も同時に進行しており、裁判で通用する証拠を確保できている場合には、一般に、不貞を離婚原因の中心に据えるほうが主張を組み立てやすくなります。
セックスレスについては、夫婦関係が悪化した経緯や婚姻の破綻状況を説明する事情として補足するのがよいと思います。
セックスレスと浮気の関係は、主に次の3つに分けられます。
セックスレスが浮気の背景になることはあっても、浮気を当然に正当化する理由にはなりません。また、性交渉を拒んだ側にも、健康状態や育児の負担、夫婦関係など、さまざまな事情があります。
浮気が疑われる場合は、どちらが先だったのかを整理し、セックスレスだけで決めつけず、ほかの行動変化も確認しましょう。離婚や慰謝料請求を考えている場合は、問い詰める前に証拠を確保することが重要です。
日本性科学会は、特別な事情がないにもかかわらず、カップルが合意した性交や性的な接触が1か月以上なく、その状態が長期にわたると予想される場合を、セックスレスと定義しています。
この定義を基準にすると、日本家族計画協会などが実施した「ジャパン・セックスサーベイ2020」では、男性の61.6%、女性の64.2%がセックスレスに該当しました。
婚姻関係にある20~49歳に限った割合でも51.9%でした。
もっとも、この定義は「1か月を過ぎたら夫婦関係に問題がある」という意味ではありません。
夫婦が互いに現在の状態を受け入れ、性生活以外の部分で親密な関係を保っている場合もあります。
反対に、期間は1か月未満でも、一方だけが深刻に悩んでいる場合があります。
回数や期間だけではなく、夫婦の一方または双方が現状に苦痛や不満を感じているかが、現実には重要です。
研究では、性生活への不満や性交渉の少なさと、浮気との間に関連が報告されています。
婚外性交渉を予測する要因について過去の研究を整理した論文では、主なパートナーとの性的満足度が低い人ほど、婚外で性的関係を持ったと報告する傾向があることが紹介されています。
参考:Journal of Sex Research掲載論文
また、浮気の動機を調べた研究でも、性的な不満は複数ある動機の一つとして確認されています。
参考:Motivations for Extradyadic Infidelity Revisited
ただし、ここで注意したいのが、「関連があること」と「原因であること」の違いです。
性生活に不満がある人に浮気が多かったとしても、そこから直ちに「セックスレスが浮気を引き起こした」とはいえません。
こうしたケースが調査結果の中に含まれている可能性があるからです。
さらに、浮気の動機は性的な不満だけではありません。
愛情の不足、怒り、放置されているという感覚、刺激を求める気持ち、自分の自由を確かめたいという気持ちなど、複数の要因が確認されています。
研究からいえるのは、セックスレスや性生活への不満が浮気と関係する場合はあるものの、セックスレスになれば浮気する、あるいはセックスレスが浮気の原因であると一律には判断できないということです。
最終更新日:2026/9/9
更新責任者:徳野 制
管理記号:1