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探偵に調査をお願いした場合、調査結果は外に漏れたら困るような内容ばかりです。
配偶者の浮気、家族の家出、結婚相手の個人情報・・・
ちゃんと秘密保持はしてもらえるのか?
まさかその秘密をネタに脅されるようなことはないのか?
そういう心配で依頼に踏み出せない方のためにお答えします。
調査で得た秘密の漏洩や悪用は、探偵業法で禁止されています。
後で述べますが、実は昔はそういう問題もよくあったのです。
しかし、2007年に探偵業法が施行されて15年以上が経過。
違反には刑事罰もあるため、浸透してきました。
今では届出業者の間では、悪質な被害は稀です。
第十条は秘密保持を義務付け
(秘密の保持等)
第十条 探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。
2 探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文書、写真その他の資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をとらなければならない。
調査で知った秘密は探偵をやめた後も含めて漏らすな、資料は安全に保管しろと言っています。
第十三~二十条は罰則等を規定
条文を全部引用するとあまりに長いので、要点だけを紹介します。
第十三条は、問題がある時は公安委員会が報告を求めるし、立入検査もすると言っています。
第十四~十五条は、問題の程度に応じて、指示や営業停止・廃業の命令をすると言っています。
第十七~二十条は、探偵業法に違反した場合の罰則規定です。
違反の程度に応じて、罰金刑と懲役刑が定められています。
合法業者は概ね安全
探偵業を営む者は、開業前に公安委員会に届出をして、届出証明書を交付してもらう取り決めです。(第四条)
この手続きを踏んでいる業者の間では、今では悪質な行為は耳にしません。
届出の書類には履歴書と住民票が含まれています。
これを警察署経由で公安委員会に出すため、両組織に対して身元がバレています。
そういうわけで悪事はしづらいのです。
故意に秘密を漏洩または悪用される心配はまずないでしょう。
しかし、無届の違法な探偵の場合は危険です。
探偵は探偵業法第四条により、公安委員会への届出が義務付けられています。
まず、この届出制について簡単に説明しましょう。
届出は簡単で費用もわずか
この届出は非常に簡単で、書類が揃っていれば、自動的に受理されます。
お役所の許認可は5種類あります。
難しい方から免許>登録>認可>許可>届出の順で、届出は一番やさしいのです。
手間もお金もわずかです。
「履歴書」「住民票」「誓約書」などの書類(個人か法人かで違う)を用意して、手数料3,600円を支払うだけです。
資格・免許はなく、業務経験も求められません。
「え!?資格も不要で未経験でも開業できるの?本当に?!」と思われるでしょう。
本当です。
無届が意味することは?
届出がこんなに簡単なのに、それをせずに処罰される危険を冒すとしたら?
理由は次の2つ以外考えられません。
欠格事由
欠格事由というのは探偵業の経営が許されない条件です。
下記の6つのどれかに該当する人・会社は開業NGです。(第三条)
簡単に言うと、ヤクザ(4)、刑期を終えて間もない人(2)をはじめ、健全な運営ができそうにない人です。
届出の際に欠格事由に該当しない旨の誓約書を出しますが、あとで警察がチェックします。
そこで嘘がバレると廃業を命じられます。
届出をしてもそうなるとわかっている人は無届でやるでしょう。
無届探偵への依頼はトラブル必至
このように無届という段階でもうヤクザ等まともでないか、法律を軽視する業者と確定です。
最初からぼったくったり、秘密を売り飛ばしたり、恐喝する可能性大だと思った方がよいです。
相談に先立って必ず届出証・届出番号を確認しましょう。
無届業者と絶対関わらないようにしてください。
調査結果の秘密保持には、まず届出済の合法探偵を選ぶことが大切です。
ここで、探偵の調査結果にどんな危険な情報が含まれるか確認してみましょう。
浮気調査と結婚前調査で見てみます。
浮気調査
調査結果は配偶者と愛人の不倫行為の記録。
両者の社会的評価や職場での評価、さらに依頼者の社会的評価にも影響のある情報です。
調査報告書
愛人とデートし、ホテルに出入りする写真入りの行動記録です。
動画ファイル
上記と同様の内容で、さらに生々しいです。
結婚前調査
調査したこと自体が相手には秘密のことが多いです。
バレると成婚前なら破談、成婚後なら両家の関係にひびが入る危険があります。
調査対象は相手本人と実家・親族の2種類があります。
下記のようなネガティブ情報を含む可能性があります。
程度によっては当人や家族への社会的評価などに影響大の情報です。
相手本人の調査
実家・親族の調査
秘密漏洩等に伴う危険
以上のような秘密は慎重に扱わないと、下記のような危険を伴います。
こんな重大な秘密を扱うのに、昔は探偵業への参入に何の規制もありませんでした。
日本の探偵業の歴史は明治時代に始まりますが、100年以上に渡って野放しだったのです。
そのため、調査結果を故意に漏洩、売却、悪用する業者もいました。
暴力団がバックの探偵社もあったのです。
そこまでひどくなくても、ぼったくりは横行していました。
消費者センターへの相談も増えて、平成前半には悪徳探偵が社会問題化。
そこで消費者(依頼者)の利益と調査される側の人権を守る探偵業法が作られたわけです。
葉梨康弘という国会議員の主導で立法され、2007年に施行されました。
廃刊で入手困難ですが、同氏の著書には探偵業法の立法経緯が詳しく出ています。
この法律のおかげで、探偵業界は以前とは比較にならないほど安全になっています。
他のサービスと同様に探偵の調査を安心して使える時代になってきています。
前述のように届出業者が故意に悪質な行為に及ぶことは稀です。
良心的な探偵社も多く、そういうところは信頼して大丈夫です。
業者によっては過失の可能性
しかし、探偵は個人・零細業者が大半の乱戦業界。
届出は簡単な手続きですから、調査技術や企業のレベルを保証するものではないです。
業務の管理レベルは千差万別というか玉石混交。
低レベルな業者は、不用意に秘密を口にするようなことがないとは言えません。
また調査報告書や動画の入ったCDを紛失するようなこともあるかもしれません。
廃業の場合が心配
探偵業界の届出数は、現在約6,400社あります。(令和2年末警察資料)
10年前より1000社くらい増えています。
開業資金が少なくて済み、届出だけで開業できる。
そのため、毎年600件程度の新規参入があります。
そしてそれより少し少ない数が毎年廃業します。
廃業の際に、秘密保持を律義に意識して資料を処分できるか?
調査報告書をシュレッダーにかけ、CDを破壊した上で破棄してくれるか?
それをすべての場合に期待できるかというと、難しいのではないかと思います。
秘密保持をしっかり守って調査してもらうにはどうしたらいいか?
まず、届出証を持つ合法業者を選ぶことは最低必要条件です。
その上で、一定の業歴があって潰れなさそうな会社。
そして面談の印象で誠実さや責任感が感じられる探偵社を選ぶことです。
下記では優良な探偵社を紹介しています。