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今でも探偵が絡むトラブル・事件はありますが、昔は今とは比べ物にならないほどひどかったのです。
悪徳探偵が社会問題にまでなり、健全化の目的で探偵業法が作られました。
探偵業法前夜の事件をご紹介します。
時期は2000年頃から探偵業法施行の直後までのものです。
東京・世田谷の興信所「N」の所長であるW(27)が、詐欺と恐喝の容疑で警視庁に逮捕されました。
被害者は新宿区の元ソープ嬢A子さん(23)、被害額は830万円。、
WはA子さんに「依頼人の代わりに仕置きを行う裏の仕掛け人」と偽り、金銭を要求していました。
A子さんはソープランド経営者(59)から浮気されたことに腹を立て、経営者の財産をつぶす依頼をWに頼んでいました。
Wは710万円をだまし取った上に、毎月40万円の「仕置き料」を要求。
それが払えなくなると脅迫に及びました。
合計830万円を脅し取った疑いがかけられています。
「裏の仕掛け人」などという荒唐無稽なものになりすますとは、とんでもない探偵です。
まあ、そんなものの存在を信じる方もどうかしてるとは言えますが。
きっと口が達者で洗脳のスキルみたいなものを持った探偵だったのでしょう。
東京・歌舞伎町の貸金庫で現金800万円が盗まれ、女性従業員が縛られて窒息死。
警視庁新宿署捜査本部は4人を強盗致死容疑で逮捕。
メンバーの中国人2人と日本人2人。
日本人の1人は東京都渋谷区の興信所(G)の社員でした。
ほかにも中国人5人の関与が疑われ、新宿を根城にした窃盗グループが背景にいる模様でした。
探偵が強盗をしたというより、強盗をした中にたまたま探偵がいたという見方もできます。
しかし、当時の探偵業に従事していた人間の質を象徴しているような気もします。
警視庁亀有署は、女子大生へのストーカー容疑で横浜市の衣料品販売業K容疑者(38)を逮捕。
K容疑者は女子大生の自宅に中傷の手紙を送り、写真入りの中傷ビラを配布しました。
そのビラ撒きを手伝ったとして、名誉棄損容疑で同時に逮捕されたのが、探偵会社経営者ら2人です。
K容疑者は女子大生と出会い系サイトで援助交際を行っていました。
しかし、ずいぶん貢いだのに本気の交際を断られたことでストーカーになりました。
先述の探偵社に約100万円を支払って身元調査を依頼し、女子大生の個人情報を入手。
700回に及ぶ無言電話や怪文書送付などを行い、女子大生は昨年から警察に相談していました。
ストーカーに協力して個人情報を入手した上、中小のビラ撒きまで協力?!
お金のためならどんな汚い仕事もやるクズ探偵の見本のような事件です。
当時は探偵と便利屋が一括りの扱いでした。
この事件では探偵が「卑劣なこともOKの便利屋」のように使われています。
関西在住の女性が、「別れさせ屋」に約600万円の損害賠償を求めた訴訟を提起。
夫の不倫相手との別れさせ工作を依頼し、400万円も払ったのにまともに仕事をしなかったとのことです。
女性の訴えによれば、女性は会社経営者の夫と従業員の不倫に悩み、2001年5月に探偵会社に相談しました。
「相手を土下座させ、金も取れる」と言うので、約300万円を支払って「別れさせ工作」を依頼しました。
その後、探偵会社から「2人は離れることがない。最も難しいケースだ」との報告。
これを受けて、特殊電波探偵の名目で約150万円を追加で支払いました。
しかし、夫の不倫状況に何の変化もなく、騙されたと判断しました。
大阪高裁におけるこの訴訟は和解で終わり、大阪市の探偵会社が解決金150万円を支払うこととなりました。
「別れさせ屋」は2001年の民放ドラマがきっかけで広まり、業者数は1,000社以上に上ると指摘されています。
しかし、報酬に関する問題などでトラブルも絶えず、警察庁は業界団体を通じて指導に乗り出しています。
別れさせ屋は今もあって、探偵の仲間と思っている人も多いです。
これは本当にまともな仕事ではなく、こんな仕事をやる人間もまともではありません。
探偵とは区別していただきたいものです。
大阪府高石市の小売業の68歳女性が、フランチャイズの探偵社に詐取された462万円の返還を求めて提訴。
女性は知人に400万円を貸していたが、その知人が行方不明になりました。
そこでこのフランチャイズの探偵社に捜索を依頼。
探偵料や報酬の前払い金などとして462万円を支払いました。
ところが昨年5月以降、代表の男性と一切の連絡が取れなくなりました。
一方、フランチャイズ店の本社はフランチャイズ契約を代表の男性と結び、すでに対価を取得しています。
女性は、フランチャイズ探偵社と全国に180以上の支局を持つ本社を相手に損害賠償を求めています。
また、「誰でも安易に興信所が経営でき、行政上の規制もない問題点がある」と訴えています。
探偵にはコンビニエンスストアのようにフランチャイズもあります。
こんなにたくさんの支局があるのは間違いなくフランチャイズです。
直営だと本社・支店・相談室等の拠点を合計してせいぜい数個。最大のものでも二十数か所です。
フランチャイズが悪いとはいいませんが、ちゃんとしたノウハウを教えられるのかが問題です。
また、そこの看板で仕事が取れるのかも大事。
しかし、このケースはフランチャイジーの探偵社が無責任に消えたという事件なのか?
本社がフランチャイジーという緩衝材を利用して意図的に詐欺を働いているようにも見えます。
大手消費者金融の元渉外部課長代理が探偵会社に依頼してジャーナリストの自宅電話を盗聴させた。
警視庁は元渉外部課長代理と探偵会社社長など4人を電気通信法違反容疑で逮捕。
警察は同社の本社の家宅捜索も実施。
容疑者は、会長からの指示でほかにも別のジャーナリストや元役員・元社員の盗聴を行ったと供述しています。
今は倒産してもうない武富士という大手サラ金の事件です。
おしゃれなダンスのテレビCMのイメージとは裏腹に、創業者の会長は強引でかなりブラックな人物でした。
違法な調査に探偵社が協力した事例です。
暴力団山口組系の元組長が神戸市で刺殺された事件で、大阪の探偵会社社長の関与が明らかになりました。
この探偵社は、滋賀県の別の探偵会社に元組長の所在調査を100万円で発注。
請け負った探偵社は元組長の車にGPSをつけ、尾行していました。
現場付近に駐車しているのを発見して、大阪の社長に連絡。
数十分後に二人組の男が現れて元組長を刺殺しました。
この一連の様子は尾行者の車載ビデオカメラに録画されていました。
事件後、社長はテープの引き渡しを求め、受け取りました。
その後、探偵会社幹部は、社長に県警にテープを提供するように促したが、逆に守秘義務を理由に口止めされたそうです。
ヤクザの仕事、それも殺人に探偵が協力した事件。
殺すつもりだと聞かされずに依頼を受けたのか?
うすうすわかりながら、怖くて断りきれなかったのか?
探偵業法以前は、ヤクザと探偵の結びつきは珍しいものではありませんでした。
ここまで読んで、昔の探偵業界は本当に危険だったことがわかると思います。
そもそも日本の探偵業はいつ始まって、いつ頃からこんなひどい状態になったのか?
そんな疑問が氷解する記事です。
明治時代の開明期から、悪徳探偵の繁栄、探偵業法の成立とその後までを追っています。
消費者金融業者約50社が、顧客の信用情報を不正に照会したために情報センターから処分を受けました。
情報は就職の採否に使われた疑いがあり、一部の業者は情報をブローカーに売却したようです。
顧客の情報が無断で漏洩しました。
来春には個人情報保護法が完全施行される予定であり、信用情報管理の問題はガイドライン策定にも影響を与えかねません
そこで金融庁は不正照会の実態調査を実施。
これがきっかけで多数の不正照会が発覚。
顧客からの苦情によって不正が明らかになり、処分されたケースもありました。
また、別の業者は情報を売却したと認めましたが、ブローカーとの連絡が取れず、情報の流出先は特定されませんでした。
さらに、別の業者経由で信用情報がヤミ金融に流れた可能性も疑われています。
これは直接探偵社が関与した事件ではなく、サラ金が顧客の信用情報を漏洩した事件です。
しかし、その情報を違法に利用した探偵は多かったでしょう。
大阪地検特捜部は2日、行政書士、探偵、会社員の3人を弁護士法違反容疑で逮捕。
弁護士資格がないのに、報酬を得る目的で、損害賠償請求の交渉をした容疑です。
この行政書士は、探偵会社から依頼者の紹介を受けて、「法務探偵」の肩書で様々な資格外の業務を行っていました。
下記はその例です。
3つ目の件では、100万円もの報酬を受け取っています。
大阪弁護士会は、弁護士法で禁止された「非弁活動」にあたるとして、特捜部に告発していました。
浮気の慰謝料請求などで、探偵が権限を越えた仕事をしてしまうことは、今もあるようです。
兵庫県と大阪府で、行政書士による戸籍謄本の不正請求が発覚しました。
行政書士が「職務上請求書」を利用して入手した謄本を探偵に売却したのです。
以前には、探偵が行政書士や弁護士を装い、戸籍謄本を不正に請求する事件が発生。
「職務上請求書」はその防止策として導入されたものですが、それが逆に悪用される皮肉な結果になったわけです。
発覚の契機は、ある民事訴訟で被告の興信所経営者が証拠として提出した業務日誌です。
そこに大阪の行政書士とのやり取りが詳細に記されていて、不正請求が露呈しました。
一方神戸の行政書士は、一件450円の交付手数料で入手した戸籍情報を、2,500〜3,000円で興信所に提供していたようです。
第三者の戸籍情報取得は昔は興信所の定番メニューでしたが、今日では厳しく制限されています。
しかし、弁護士・司法書士・行政書士は職務権限で請求できます。
これを利用し、探偵が士業と組んで不正入手する事件が後を絶ちません。
探偵社には、こういうことをしないようにというお上のお達しが定期的に回ってきます。
自民党の「探偵業に関するワーキングチーム」は、探偵業の適正化を目指し「探偵業の業務の適正化に関する法律案」をまとめ。
この法律案では、探偵業者に都道府県公安委員会への届け出を義務付けることや、秘密の保持を規定することが柱となっている。
対象は特定の人物の所在や行動について調査する探偵業者であり、信用調査や保険関係の調査などは含まれない。
法案では、探偵業者は営業所ごとに所在地情報を都道府県公安委員会に届け出る必要があり、無届け営業や名義貸しには罰金や懲役が科される。
秘密の保持に関しては、業務上知り得た情報の漏洩を禁止し、探偵を辞めても守秘義務が続くことが規定されている。
また、探偵結果が犯罪に使用されることが分かった場合には、探偵業務を行うことが禁止される。
さらに、暴力団員や未成年、破産者などは探偵業を営むことができない「欠格事由」とされ、業者の質の向上を図るための規定も含まれている。
この法律案が出された背景には、探偵業者による高額な請求や口止め料要求などのトラブルの増加がある。
また、個人情報保護の観点からも業者を規制する必要性が指摘されていた。
国民生活センターには探偵業に関する苦情が相次いで寄せられており、料金や契約、個人情報に関するトラブルが多いとされている。
ここまで紹介してきたようなトラブルの多発で、悪徳探偵が社会問題化していきました。
そして、探偵を規制する法律を作ろうという動きがでてきた。
その法律の素案がまとまったよ、というのがこのニュースの内容です。
こうしてついに悪徳探偵の被害を防ぐ法律が作られます。
リーダーシップを担ったのは一人の衆議院議員でした。
この方は後に議員立法の経緯を「探偵業法」という本にまとめて出版されています。
さまざまな背景説明や条文に込められた意図の逐条解説を含む興味深い内容です。
すでに廃刊になっており、中古本は高騰していますが、幸い本サイトに要約を収録しています。
興味がある方は読んでみてください。
興信所の身元調査などの目的で、兵庫県宝塚市の元行政書士(80)の事務所が戸籍情報を代理取得していたことが判明。
その件数は、2002年1月から約2年10カ月の間に、戸籍謄本や住民票など計755件に。
行政書士が特別に認められている請求書(職務上請求書)を悪用したもの。
請求していたのは同行政書士の事務を補助していた職員(補助者)で、県などの調べで、大半が不正請求と判明。
神戸市の元行政書士(62)の不正請求分と合わせ、被害が全都道府県に及んでいることが明らかになった。
愛知県の元行政書士が、23都道府県で91件の住民票の写しを不正取得、探偵に横流ししたことが判明した。
住民票は浮気探偵などに使われ、元行政書士には報酬が支払われていたという。
半年以上に渡り、同探偵社からの依頼で「遺産分割協議のため」などと虚偽の理由で、23都道府県の51市区町村から住民票の写しを取得した。
上記の2件はまた悪徳行政書士との結託です。
先述したように、同様の事件は今もあります。
行政書士の経営が厳しくなってきている状況もあるのかもしれません。
弁護士の資格がないのに、会社ぐるみで交通事故の示談交渉をした探偵会社。
社長と社員の計6人が弁護士法違反の疑いで逮捕されました。
弁護士がいないにも拘らずいると偽り、運送業者の自賠責保険などを取り扱う交通共済協同組合から仕事を受注。
同組合に加盟する会社の従業員が起こした交通事故について、報酬をもらって示談の交渉をとりまとめていました。
浮気の慰謝料の示談を探偵がやってしまうのは、違法だがまだ理解できます。
しかし、交通事故は完全に弁護士の世界です。
これは完全に組織的なヤミ弁護士事件といえます。
探偵業の男が有料道路を割引料金で通行する目的で身体障害者手帳を偽造し、逮捕されました。
容疑は、有印公文書偽造の有印公文書偽造の疑いです。
その手帳を買って使用した客も、有印公文書行使、詐欺などの疑いで逮捕されました。
正規の身体障害者手帳をカラーコピーし、顔写真を張り付ける手法で偽造したようです。
この事件も探偵のやりそうな不正からははずれています。
「ブラックなことも厭わない便利屋・何でも屋的」な事件です。
大阪の探偵会社が請け負った仕事をしていないのに金を取ったとして、相次いで訴えられました。
堺市の女性が30代で失跡した長男の捜索を150万円で依頼。
しばらくして「フイリピンにいた」と言われ、105万円を追加支払い。
その後、探偵会社から連絡はがないのを不審に思い、事務所を訪ねると空き室になっていました。
弁護士が東京入国管理局に照会したところ、長男が国外に出た形跡はなかったとのこと。
女性は「初めからだます目的だった」と大阪地検に告訴しました。
別の男性も大阪地裁に息子の浮気調査の件で告訴。
愛人の張り込みや「長男の目を覚まさせる」カウンセリング料などとして総額約800万円を探偵業者に支払いました。
しかし、報告書には実際に調査した形跡が見られなかったので、告訴に至りました。
これはまさに悪徳探偵です。
こんな事件が多かったとは、昔の探偵依頼はとても怖かったのだなと思います。
闇サイトで自称探偵に不倫相手の妻の殺害を依頼した東京消防庁職員の女が逮捕された。
容疑は暴力行為法違反(犯罪の請託)。
発覚のきっかけは、「詐欺に遭ったのでは?」と警察に相談したことです。
計1,500 万円の事前報酬を払ったが、約半年が過ぎても殺人が実行されないため、そういう行動に出ました。
自称探偵は、張り込み代、尾行代などとして約10回にわたり総額1,500万円を請求。
殺害方法については、「借りたバイクに2人乗りして、トンネル内で追い越しながら細菌をまき、吸い込ませる」などと奇怪な説明をしていました。
これは探偵の事件と呼んでいいのかどうか・・・
探偵業法以前には、薄闇から暗黒の世界に蠢く人たちがしばしば探偵を名乗ったようです。
昨今世間を賑わす闇サイト事件の先駆けでした。
それにしても殺人の依頼が実行されないことを警察に相談にいくとは?!
そして細菌で殺害するなどという話を信じるとは?!
しかも消防員なので、頭はまともなはずですなのですが・・・。
まさに「事実は小説よりも奇なり」です!
東京の会社員がバラバラ殺人に遭い、容疑者として妻が逮捕されました。
殺人後に夫の携帯を使って、失踪を装うために偽装工作もしていました。
その後、妻は事前に探偵に夫のことを調べさせていたことがわかりました。
そのことは夫に発覚しており、妻は「浮気調査」と説明したと友人に語っていました。
しかし、実際は浮気調査ではなく、殺人のための準備調査だったのかもしれません。
探偵業法以前は、探偵は犯罪者に便利な道具だったようです。
今は、依頼者は依頼の際に「違法な目的ではない」旨の誓約書を出さねばなりません。
探偵も途中で違法の疑いを感じたら、調査をストップせねばなりません。
警視庁の巡査長が思いを寄せるキャバレーの女性を射殺した後に自殺する事件が発生。
巡査長は被害者と知り合ったキャバレーに多額の支払いをし、贈り物やプレゼントも行っていました。
女性は本名を使っていなかったのに、ある時すでに知っていました。
女性の行きつけの店にも姿を現すようになりました。
警視庁捜査本部の調査で、巡査長が女性の素性や身辺を興信所に調べさせていたことが判明しました。
探偵はストーカーに協力したわけです。
ストーカー規制法が2000年に施行されて、警察の対応は改善していきました。
しかし、その後もたびたび探偵が被害者の個人情報取得のために悪用されています。
風呂桶に横穴が空いているようなもので、探偵の規制が急務として浮上してきた時期です。
浮気調査の結果をネタに、主婦を脅迫したとして、 探偵社の代表が逮捕されました。
調査ターゲットになった20代の主婦に対し「浮気をばらす」と電話で脅追、性的な行為を要求。
その前にも「示談にしてやる」と、事務所内で性行為をしたようで、繰り返し要求していたと見られます。
主婦の相談を受けた警察が捜査に動いたことで犯行が発覚しました。
探偵業で知りえた秘密の悪用であり、悪徳探偵の見本です。
こんな例がひとつでもあると、怖くて探偵に頼めなくなります。
定年退職した探偵会社の元取締役が、探偵業者の外注先として調査を実施。
2ヶ月で100回に渡る依頼を請負、計約360万円を受け取っていました。
経歴や資産状況などを調べる信用調査の件でこれが発覚。
届け出がないにもかかわらず探偵活動をしたとして、探偵業法違反の疑いで書類送検されました。
当人は「届け出をするのが面倒くさかった。甘く考えていた」と供述しているそうです。
ついに探偵業法成立後の事件です。
日本の探偵業は明治時代に始まりますが、2007施行の探偵業法まで規制は皆無でした。
だから法が施行されても、定着には時間がかかったようです。
15年以上経った今日でも、まだ認識が甘い人は多いと思います。
施行からちょうど1年の頃の報道です。
国民生活センターのまとめでは、苦情相談が02 年度から6 年連続で1,000 件を超えたことが発表されました。
法律はできましたが、料金設定の業界基準がないことなどがネックで、トラブルが多い状況は続いているようです。
以上のような調査費や解約料など金銭をめぐるトラブルが大半を占めています。
法律が定めていない領域については、警察も介入が難しいようです。
探偵業の役員に法律に疎い人が多いことも問題として指摘されています。
施行1年ではこの状況も理解できます。
100年以上何の規制もなかったのに、そんなに急に落ち着かないでしょう。
しかし、近年ではかなり改善されてきています。
自宅の敷地内で不審な動きをする男を家の持ち主が取り押さえて警察へ。
男は探偵で、浮気調査のために家の所有者の車に取り付けたGPSをはずしにきていたのでした。
容疑者は容疑を認めたものの、業務内容については黙秘していたそうです。
依頼者が自分の車にGPSを着脱するのはOKです。
しかし、自宅敷地内で探偵にやらせるとこういうことが起きえます。
まして他人の車や会社の車は絶対ダメです。
渋谷の路上で医師の娘が拉致される事件が発生した。
逮捕された容疑者が、「探偵事務所に娘の写真撮影と住所の調査を依頼した」と供述しました。
犯行グルーブは探偵事務所の情報をもとに、誘拐計画を練ったのです。
依頼に当たっては「息子が交際している女性を調べて欲しい」と虚偽の設定をしたらしい。
ストーカーが悪用する例は出ていましたが、もっと本格的な犯罪に利用された例です。
受任の際のコンプライアンス審査強化が必要と痛感させられる事例です。
福岡県で無届で探偵業を営んでいた男が、探偵業法違反の疑いで逮捕されました。
探偵業法施行前から営業していた場合は、指定の期限までに届出をする必要あり。
しかし、この男はそれを怠り、探偵業法施行後、全国で初めての摘発となりました。
容疑者は「探偵業の届け出義務は知っていた。」と容疑を認めています。
無届営業は6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金です。
結構厳しい内容です。
福井県の探偵会社代表が、過去に浮気調査の依頼を受けた女性から現金140万円詐取。
「浮気相手があなたから示談を強要されたと警察に訴えている」と架空の話で脅迫する手口でした。
この件に関して、懲役2年の実刑が確定。
刑の確定に基づきこの男性が経営する探偵会社は福井県公安委員会より営業廃止命令を受けました。
先ほどは調査対象者の脅迫事件でしたが、今回は依頼者です。
こういうトラブルを防ぐために探偵業法は作られました。
同法は、調査対象者と依頼者の双方を保護することを目的としています。
探偵業法以前の探偵トラブルのひどさがわかってもらえたと思います。
もちろん当時もクライアントに誠実に尽くす技術力の高い探偵はいたのですが。
当時から誠実に伸ばした探偵社
例えば現在、業界屈指の大手に成長しているさくら幸子探偵事務所。
こちらは、業界の状態が劣悪だったころから高い技術と誠実な姿勢で顧客に尽くしたとのこと。
その後、探偵業法をはじめ、法規制が強化されると悪徳探偵が次第に消滅。
これにより、自然に成長することができたとインタビューで語っておられます。
探偵の利用は安全になったが…
探偵業法もできた当時はなかなか浸透しませんでしたが、もう15年以上経ちました。
今では昔とは比べ物にならないほど安全になっています。
ただ、悪質な被害ではないが、技術の低さに失望する例はまだまだあります。
よく調べて下手な探偵を選ばないように気をつけましょう。
しっかりした探偵を探しているなら、下記のページが役に立つはずです。
探偵、調査に関する記事のリストです。