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日本では長く「一夫一婦制」が当たり前とされてきました。
しかし近年、自ら「一夫多妻」を実践していると公表し、賛否両論を呼んでいる人たちがいます。
もちろん、日本の法律上、正式な婚姻関係での一夫多妻は認められていません。
それでもなお、なぜこうした生き方を選び、あえて公に語る人が現れるのでしょうか。
この記事では、最近話題になっている渡部竜太氏の事例を軸に、ほかにも取材・報道された具体例、日本の法律との関係、そして「なぜ一夫多妻は問題視されやすいのか」を整理していきます。
渡部竜太氏(30代後半)は、いわゆる「一夫多妻的な共同生活」を行っていることを、YouTubeやSNSを通じて公表してきた人物です。
報道や本人の発信によれば、一時期は複数の「夫人」と子どもを含めた大家族で生活しており、その様子がメディアで取り上げられ、注目を集めました。
直近では、第二夫人と正式な結婚に向けて動いているという内容がニュースとして報じられています。
報道では、
が伝えられています。
【一夫多妻ちゃんねる(渡部氏のYouTube)より】
ここで注意したいのは、日本では同時に複数人と正式な婚姻関係を結ぶこと(重婚)はできないという点です。
そのため、「一夫多妻」と言われていても、法的には成立しない関係であることは押さえておく必要があります。
正式な婚姻関係にない複数の相手と同居して性生活を営むこと自体は違法ではありません。
渡部氏のケースは目立っていますが、日本で同様の関係性がまったく前例のないものというわけではありません。
これまでにも、メディアの取材を通じて紹介された具体的な事例があります。
佐賀県では、西山嘉克氏が「一夫多妻(実態としては一夫二妻)」の家族形態として、複数のメディアから取材を受けています。
報道によれば、西山氏は二人の女性と合意のうえで生活を共にしており、本人はこの関係性を隠すことなく公表してきました。
ただし、このケースでも、
という点は共通しています。
週刊SPA!の取材記事では、都内在住の57歳の資産家男性(氏名は仮名)の事例も紹介されています。
この男性は、婚姻関係には入らずいわゆる「通い婚」という形で9人の「夫人」と関係を持ち、子どもは12人いると語っています。
記事では、こうした関係があくまで当事者同士の合意の上で成り立っていることが示される一方、法的・社会的には極めて例外的な生き方である点も強調されています。
これらの事例に共通するのは、
という点です。
日本で語られる「一夫多妻」とは、法律に裏付けられた制度ではなく、個人の合意による関係性を指しているにすぎません。
日本では、一人の人が同時に複数の配偶者を持つこと、いわゆる「重婚」は認められていません。
これは、一夫一婦制を前提とした婚姻制度を維持し、社会の秩序や男女平等を守るためとされています。
いわゆる「一夫多妻」を名乗るケースの多くは、法的な婚姻ではなく、事実婚や同棲・通い婚です。
事実婚とは、
という関係を指します。
ただし、法律上は夫婦ではないため、
などの面で、不利になる場面も少なくありません
一夫多妻が否定的に見られる理由は、単なる「価値観の違い」だけではありません。
一夫多妻的な関係では、
といった点が指摘されてきました。
歴史的にも、女性の地位が低くなりやすい制度として問題視されてきた背景があります。
日本を含む多くの国では、
を前提とした婚姻制度が整えられています。
一夫多妻は、こうした近代的な人権思想や社会制度と相容れないと考えられてきました。
一夫多妻的な関係で生まれ育つ子どもについては、社会的・制度的な影響を懸念する声があります。
日本では一夫一婦制が前提の社会であるため、
から、子ども自身が周囲から特別視される可能性があります。
具体的には、
などが、将来的な負担になるのではないかと指摘されています。
もちろん、すべてのケースで問題が起きるわけではありません。
ただ、日本社会の前提が一夫一婦制である以上、子どもが「制度の外側」に置かれやすい点は無視できないという見方もあります。
一夫多妻は日本では認められていませんが、世界的に見ると、宗教や慣習法を前提として合法とされている国・地域が存在します。
ただし、それらは日本とは社会構造や制度設計が大きく異なります。
サウジアラビアをはじめとする一部のイスラム圏では、イスラム法(シャリーア)に基づき、一夫多妻が認められています。
ただし、無制限に許されているわけではなく、
といった厳しい条件が課されています。
現実には、経済的負担の大きさから実践している家庭は少数派とされており、制度として存在することと、一般的に行われていることは別問題です。
参考:Legality of polygamy(海外サイト)
ケニアなどアフリカの一部地域では、伝統的慣習法に基づく一夫多妻婚が合法とされています。
特に農村部では、
といった背景から、一夫多妻が社会的に受け入れられてきました。
ただし近年は、
により、一夫多妻に否定的な声も強まっています。
参考:Countries Where Polygamy Is Legal 2026(海外サイト)
南アフリカでは、「慣習法婚(カスタマリー・マリッジ)」として、一夫多妻が限定的に認められています。
これは、
といった条件付きの制度です。
西洋型の一夫一婦制と、伝統的家族観の折衷として残されている制度であり、誰でも自由に選べる制度ではありません。
参考:Polygamy in South Africa(海外サイト)
これらの国・地域に共通しているのは、
という点です。
一夫多妻が合法である国であっても、日本のような一夫一婦制社会とは前提条件がまったく異なるため、単純に比較したり、そのまま持ち込むことはできません。
当記事に、個人の生き方や選択を批判・否定する意図はまったくありません。
ただ、日本という法律や社会の枠組みの中では、一夫多妻がうまく機能するケースは例外的であり、一般には問題が生じやすい形のように思えます。
特に長期的に見た場合、
などは、避けて通れません。
こうした現実を踏まえたうえで、あなたは、この選択をどう思いますか。