バイク対バイクは難易度最高
件数として多くはないが、バイクに乗って移動する対象を追うこともあります。
探偵の方もバイクで追います。
バイク対バイクは、バイクを使った追尾の中でも難易度は最高に高いそうです。
原一探偵事務所の初取材からお世話になっているベテラン探偵X氏はバイク調査員出身。
バイク追尾のノウハウを聞いてきました。
バイクの追尾手段
対象の移動手段がバイクの場合、メインの追尾手段はバイクになります。
相手は車の間をすりぬけたり、歩道を走ったりもするので、車では追いきれません。
バイク同士の一騎打ちにになることも多いそうです。
【探偵社はバイクも豊富な保有が理想(原一提供)】
バイクの具体的な追尾方法
張り込み
張り込みは車を使い、バイクは隠れておいて追尾のみに使います。
初動
自転車と同様、初動で出遅れると失尾してしまいます。
対象は自転車よりはるかに速いスピードで走り去ります。
一方、追う側はヘルメットをかぶったり、エンジンをかけたり、自転車以上にスタートするまでに時間がかかります。
相手の乗り込みを見られるとは限らず、走り出したのが見えてからそんなことをしていたら到底間に合いません。
だから用意万端、エンジンをかけてまたがった状態で相手から見えない所でスタンバイし、別のメンバーに目視してもらって無線を合図にスタートする形を取ります。
走行中
普通の走行時は対象バイクの後ろを車が追い、追尾バイクはその後方を走ります。
渋滞等に巻き込まれて対象がすり抜けだしたら、こちらの追尾バイクも負けずにすりぬけ、失尾しないようにします。
車が追いついてきたら、再び車の陰に隠れます。
バイク乗りはバイクをすごく気にします。
1回でも見られたり、真後ろにつくともうアウトなので、このように車でカモフラージュしながら進行します。
夜間はライトが目立つので、バイクによるバイクの追尾はとても難しいものになります。
駐車後
立ち回り先は愛人の家が多いです。
対象は駐車してすぐ徒歩移動しますが、こちらは駐禁対策も必要です。
バイクの用意ができていない場合
対象のバイク移動が想定外でこちらがバイクを用意できていない場合もあります。
メインの対象者
メインの調査対象者に対して、バイクを使うことが事前にわかっていないことはほとんどありません。
しかし、次のような場合はそういうことが起きます。
- 単身赴任の夫や遠方に住む息子がバイクに乗るようになっていたことを家族が知らない場合
- 旦那さんが内緒でバイクを所有していることを妻が知らない場合
上の2番目は危ないのでバイクに乗ることを禁止されているとか、お小遣い制でバイクの購入を認めてもらえない場合です。
それでもどうしてもバイクが欲しい人は、奥さんに内緒で買って、内緒で駐車場を借りて保有していることがあります。
都内にはバイク専用の小型の駐車場がたくさんあります。
サブの対象者
証拠が取れた後に尾行対象を浮気相手に切り替えたところ、電車で移動し、駅の駐輪場から原付に乗られたというようなことは時々起きます。
電車移動が2〜3駅なら車は間に合いますが、遠方まで急行や特急で移動された場合、行先ではバイクはおろか車もない状態です。
追尾バイクがない場合の対策
まず、次回の再調査に備えて駐輪場所の確認や車体およびナンバープレートの撮影は確実にやります。
車が現場に間に合っている場合は、車で追える範囲まで追います。
行き先が近場である場合やすり抜けをしないライダーの場合は、車だけで追いきれる場合もあります。
ハーレーや原付の乗り手のうち安全運転主義の人の場合は、すり抜けをしないので車で追いやすい傾向にあります。
車すらない時は、一応走ってみます。
バイクの相手を走って追うなど正気の沙汰とは思えないし、たいていはムダな努力です。
しかし、他に手段がないのにやってみる前から簡単に諦めたりはしないそうです。
行き先が近所のマンションとかだと、そんなやり方でも所在がつかめることはあるそうです。
調査用バイク
原一探偵事務所の場合、現在の保有状況は下記のような感じ。
排気量で言うと、最大は750ccで、以下400cc、250cc、400cc、125cc。
125cc未満は速度も遅く、高速道路に乗れないため、現場まで自走できないので使いません。
以前はオフロードタイプも持っていたが、役に立つ場面がないので、今は全部オンロードタイプ。
小回りが効かないアメリカンタイプはもともとない。