バイクに乗った対象者の尾行方法|プロ探偵に聞く浮気調査技術の実際

バイクに乗った対象者の尾行方法|プロ探偵に聞く浮気調査技術の実際

バイクの追尾

件数として多くはないが、バイクに乗って移動する対象を追うこともあります。

 

探偵の方もバイクで追います。

 

バイク対バイクは、バイクを使った追尾の中でも難易度は最高に高いそうです。

 

原一探偵事務所の初取材からお世話になっているベテラン探偵X氏はバイク調査員出身。

 

バイク追尾のノウハウを聞いてきました。

 

 

尾行対象がライダーというケース

件数は少ないですが、バイクに乗って浮気に行く対象を調査する依頼は実際にあります。

 

男性でバイクを愛する人は多いですが、奥さんがライダーの場合もあります。

 

バイクが趣味で知り合って結婚したような場合は、夫婦ともライダーというケースもあります。

 

それはともかく、ライダーが夫婦のいずれであっても、調査に影響はないです。

 

徒歩尾行の場合は、女性は男性の入れない場所に行く場合があるので関係しますが。

 

バイクの追尾手段

対象の移動手段がバイクの場合、メインの追尾手段はバイクになります。

 

相手は車の間をすりぬけたり、歩道を走ったりもするので、車では追いきれません。

 

バイク同士の一騎打ちになることも多いそうです。

 

バイクを調査に使っている探偵社は多いです。

 

しかし、逆に尾行対象がバイクとなるとうまく追えるとは限りません。

 

感づかれやすいし、テクニックやスピードがあってついていけない可能性もあります。

 

追う側もトップクラスのバイク調査員でなくてはいけません。

 

原一探偵事務所の元トップバイク調査員から聞いた話ですから、間違いありません。

 

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バイクの具体的な追尾方法

 

張り込み
張り込みは車を使い、バイクは隠れておいて追尾のみに使います。

 

ズバリこちらの張り込み範囲でなくても、相手に見られる可能性には注意しなくてはいけません。

 

こちらから見えなくても、相手からは見える可能性があります。

 

たとえば、相手の家が3階建てで、隠れているつもりが相手からは丸見えということだってあります。

 

その状態でバイクがずっとスタンバイしていれば奇妙です。

 

バイクに跨ったまま、どこにも出発しないのはおかしい。

 

これはもうバレバレです。

 

初動
自転車と同様、初動で出遅れると失尾します。

 

対象は自転車よりはるかに速いスピードで走り去ります。

 

一方、追う側はヘルメットをかぶったり、エンジンをかけたり、自転車以上にスタートするまでに時間がかかります。

 

相手の乗り込みを見られるとは限らず、走り出したのが見えてからそんなことをしていたら到底間に合いません。

 

だから用意万端、エンジンをかけてまたがった状態で相手から見えない所でスタンバイしておきます。

 

そして、別のメンバーに目視してもらって無線を合図にスタートする形を取ります。

 

ここでも連絡手段としての無線の重要性が強調されます。

 

先に通話を確立する必要があり、通話が途切れる可能性もあるスマホではやはり弱いのです。

 

スマホは専用アダプターでハンドルに固定し、ナビやLINEに使用します。

 

走行中
普通の走行時は対象バイクの後ろを車が追い、追尾バイクはその後方を走ります。

 

渋滞等に巻き込まれて対象がすり抜けだしたら、こちらの追尾バイクも負けずにすりぬけ、失尾しないようにします。

 

車が追いついてきたら、再び車の陰に隠れます。

 

バイク乗りはバイクをすごく気にします。

 

1回でも見られたり、真後ろにつくともうアウトなので、このように車でカモフラージュしながら進行します。

 

夜間はライトが目立つので、バイクによるバイクの追尾はとても難しいものになります。

 

警察の追跡とは違う
引き離されて失尾するのはダメですが、ついていければいいというものではないです。

 

逮捕する目的で追跡しているわけではないことに注意せねばなりません。

 

相手は尾行に気づいたら、浮気を中止します。

 

それでは証拠が取れないので、調査は失敗です。

 

また、尾行は相手の生活の平穏を乱さない範囲で許されています。

 

「探偵業務を行うに当たっては、(中略)人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」(探偵業法 第六条)

 

相手が尾行に気づいて怯えて逃げているのを執拗に追い回すのは違法行為なのです。

 

バイクのテクニックがあっても、レースで速くても、バイク調査員になれない人が多い理由はこのあたりです。

 

駐車後
立ち回り先は愛人の家が多いです。

 

対象は駐車してすぐ徒歩移動しますが、こちらは駐禁対策も必要です。

 

バイクの用意ができていない場合

対象のバイク移動が想定外でこちらがバイクを用意できていない場合もあります。

 

メインの対象者
メインの調査対象者に対して、バイクを使うことが事前にわかっていないことはほとんどありません。

 

しかし、次のような例外もあります。

 

  1. 単身赴任の夫や遠方に住む息子がバイクに乗るようになっていたことを家族が知らない場合
  2. 旦那さんが内緒でバイクを所有していることを妻が知らない場合

 

上の2番目は危ないのでバイクに乗ることを禁止されているとか、お小遣い制でバイクの購入を認めてもらえない場合です。

 

それでもどうしてもバイクが欲しい人は、奥さんに内緒で買って、内緒で駐車場を借りて保有していることがあります。

 

都内にはバイク専用の小型の駐車場がたくさんあります。

 

参考サイト: 都内の月極バイク専用駐車場の例

 

サブの対象者
証拠が取れた後に尾行対象を浮気相手に切り替えたところ、電車で移動し、駅の駐輪場から原付に乗られたというようなことは時々起きます。

 

電車移動が2~3駅なら車は間に合いますが、遠方まで急行や特急で移動された場合、行先ではバイクはおろか車もない状態です。

 

追尾バイクがない場合の対策
まず、次回の再調査に備えて駐輪場所の確認や車体およびナンバープレートの撮影は確実にやります。

 

車が現場に間に合っている場合は、車で追える範囲まで追います。

 

行き先が近場である場合やすり抜けをしないライダーの場合は、車だけで追いきれる場合もあります。

 

ハーレーや原付の乗り手のうち安全運転主義の人の場合は、すり抜けをしないので車で追いやすい傾向にあります。

 

車すらない時は、一応走ってみます。

 

バイクの相手を走って追うなど正気の沙汰とは思えないし、たいていはムダな努力です。

 

しかし、他に手段がないのにやってみる前から簡単に諦めたりはしないそうです。

 

行き先が近所のマンションとかだと、そんなやり方でも所在がつかめることはあるそうです。

 

調査用バイク

原一探偵事務所の場合、現在の保有状況は下記のような感じ。

 

排気量で言うと、最大は750ccで、以下400cc、250cc、400cc、125cc。

 

125cc未満は速度も遅く、高速道路に乗れないため、現場まで自走できないので使いません。

 

以前はオフロードタイプも持っていたが、役に立つ場面がないので、今は全部オンロードタイプ。

 

小回りが効かないアメリカンタイプはそもそも使用しません。

 

バイクの種類に関する用語がわからない方は下記サイトを参考に。

 

参考: バイクの種類(バイク情報サイト)

 

【主軸のネイキッドタイプ(Suzuki GSR400)】

 

バイクを使っての追尾

今回はバイクに乗った対象を追尾する話でした。

 

では、探偵がバイクを使って追尾することはないのでしょうか?

 

あります!

 

実はバイクは車両尾行で重要な役割を演じます。

 

渋滞になった時も側道を通って脱出できますし、車が通れない細い道も走れます。

 

車ほど駐車場所に困らないので、徒歩尾行との切り替えもスムーズです。

 

その利便性は、車をあまり使わず、バイクメインのチームで尾行する探偵社もあるほどです。

 

理想的には、バイクを1台は加えておくのを標準とすべきです。

 

下記のページでは車両尾行におけるバイクの使われ方が解説されています。

 

探偵の世界にご興味が?

このページにたどり着いた人は、「尾行 バイク」などを検索したはず。

 

なぜですか?依頼先を探してるのですか?それともバイク調査員になりたいのですか?

 

このサイトにはあなたの興味に合う記事がありそうです。

 

大手探偵社・訪問レポート

ネット検索でよく見かける大手有名社を次々に取材レポートしているサイトです。

 

探偵社というのは行ってみるのが怖いと感じる人も多いようです。

 

そんな謎めいた、ちょっと怪しい会社を写真入り、インタビュー入りで知ることができます。

 

調査内容や実行体制、調査費用の話もあります。

 

調査のノウハウや調査員に求められる能力といったトピックもあります。

 

バイク乗りのだんなさん(奥さん?)の浮気を調査したい方。

 

バイク調査員としての応募先を探している探偵志望の求職者。

 

そのどちらにも興味深い記事です。

 

 

探偵になるには?

探偵になりたい人はとても多いです。

 

免許や資格が必要なのかと調べている人も多いです。

 

下記の記事はその疑問に答えるとともに、探偵になる具体的な方法を4つ紹介しています。

 

思い切ってチャレンジしてみれば、夢は案外簡単に実現するかもしれません。

 

また、探偵になる前に、現実の探偵の仕事を理解している必要があります。

 

ロマンチックな憧れだけが先行して、現実をよくわかっていない人がいます。

 

それはシャーロック・ホームズや金田一耕助のような仕事内容ではないのです。

 

それについてもコンパクトな情報提供を行っています。

 

探偵になる夢が実現した後で「こんなはずじゃなかった」ということのないようにしたいものです。

 

 

尾行技術の基本

バイクが好きだから、バイクが得意だから、それを生かした仕事に就きたい。

 

そういう動機でたくさんのバイク乗りが探偵社に応募してきます。

 

しかし、採用されても大多数がリタイアしていきます。

 

調査は相手があり、チームメイトと協力してやるものです。

 

そしてなにより大事なのは、相手に知られることなく遂行する必要があることです。

 

だから、衆人環視の中で勝敗を競うレースとはまったく違うのです。

 

自分だけ速くても何の意味もないのです。

 

バイクはいったん置いて、尾行の原理を勉強してみませんか?

 

徒歩尾行にも車両尾行にも、そしてバイクの尾行にも共通する「基本」というものがあるのです。

 

これを理解すると、探偵関係の記事の理解の深さも変わってきます。