【最新2025】国際ロマンス詐欺とは?特徴・手口・被害例・対策を総まとめ

【最新2025】国際ロマンス詐欺とは?特徴・手口・被害例・対策を総まとめ

パソコンの前で携帯で話す中年女性

はじめに:いま「国際ロマンス詐欺」が危ない

インターネット上で恋愛感情を装い、信頼関係を築いたうえで金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」が、国境をまたぐ形で活発化しています。


この「国際ロマンス詐欺」は、恋愛という人間の感情を巧みに利用するため、被害に遭うと心理的なダメージも非常に大きくなりがちです。


日本でも、2024年にはロマンス詐欺・投資詐欺を含むSNS経由の犯罪で、被害額が急増したというデータがあります


(出典:日本データ「Financial Losses Soar as Cases of Scams Jump in Japan」)【出典:turn0search14】。


本記事では、国際ロマンス詐欺の実態を俯瞰しつつ、被害に遭いやすい人の特徴、典型的な手口、犯行が活発な地域、具体的な被害事例、被害後の対策、そして予防策までを整理します。


この記事を通じて、「もしも自分や知人が同じ状況になったらどうすべきか」を具体的にイメージできるようにしておきましょう。

国際ロマンス詐欺とは何か?

定義と基本的な構造

国際ロマンス詐欺とは、インターネット(SNS、マッチングアプリ、チャットアプリ等)を通じて異性(または異性を装った者)と出会ったと信じさせ、恋愛・結婚・将来の共同生活などをほのめかして信頼を得た後、金銭の提供を求める詐欺です。


海外在住を装ったり、海外送金・暗号資産など国際的な決済手段を使わせたりすることで、捜査・返金ともにハードルが高くなっています。


このタイプの詐欺は「Romance Scam」「Love Scam」とも呼ばれ、恋愛を通じた信頼関係の構築とそれを利用した金銭詐取の構図が典型です。


(出典:turn0search30)


なぜ「国際」ロマンス詐欺なのか

被害者に対して「相手が海外在住/海外在住を装っている」「送金先が海外口座・暗号資産ウォレット」「言語やタイムゾーンにズレがある」などの特徴があり、これが「国際」の要素を持つ大きな理由です。


国際的に拠点をまたいで犯罪を組織化している場合も多いため、通常の国内詐欺に比べて、被害救済・加害者特定・捜査ともに難易度が上がっています。

被害者に多いプロフィールと心理的な特徴

パソコンに向かう老人女性


年齢・性別の傾向

日本国内のデータでは、ロマンス詐欺・SNS経由詐欺を含む特殊詐欺の被害では、40代〜70代の中高年層の割合が高まっており、特に被害額や被害件数ともに「年齢層が引き上がっている」という指摘があります(出典:turn0search16) 。


また、2024年の報道では、ロマンス詐欺の被害件数が3,784件に上り、前年から2,209件増加したというデータもあります(出典:turn0search10) 。


狙われやすい心理状態

被害に遭いやすい人の心理的な特徴として、「日常的に孤独感や寂しさを抱えている」「近しい人との交流が減少しており、新しい出会いを求めている」「SNS/マッチングアプリを利用しているが、詐欺的な手口に対する知識が十分ではない」といった点が挙げられます。


また、経済的には大きな困窮状態ではないものの、「これから人生をリセットしたい」「もう一度誰かと出会いたい」というタイミングで、詐欺側の甘い誘いに乗ってしまうケースが少なくありません。


被害者像を「責めない」視点

重要なのは、「だまされやすい人」だから被害に遭うというわけではなく、詐欺側が巧みに信頼を築き、感情を揺さぶる構造を持っているという点です。


むしろ、誠実で真面目な人ほど「自分が信じたい」「この人を助けたい」という気持ちが逆手に取られることがあります。


被害に遭った方を非難せず、まずは「誰でも遭い得る」リスクとして捉えることが大切です。

典型的な手口とシナリオ

パソコンに向かう老人男性


出会い方のパターン

詐欺師は、まずSNS(Facebook・Instagram・TikTok等)・マッチングアプリ・語学交流アプリ・オンラインゲーム内チャットなどに接触してきます。


最初は「共通の趣味」「海外出張中」「語学パートナー」などを名目にし、会話を始めます。


その後、「たまたまあなたの投稿を見た」「ずっと探していた人に似ている」などの形で、心理的に距離を縮めていきます。


詐欺師の「設定」(プロフィール)

典型的には、高収入・社会的地位の高い職業(医師、エンジニア、軍人、石油会社従業員など)を装っており、「現在海外で勤務/出張中」「〇〇国の研究施設にいる」などの設定が用いられます(出典:turn0search1) 。


また、写真はモデルや俳優を無断使用・あるいはディープフェイク技術で加工されている場合もあります(出典:turn0search16) 。


信頼関係の構築プロセス

詐欺師は綿密にメッセージを送り、毎日こまめに連絡を入れたり、将来結婚したい・会いに行きたいといった甘い言葉を使ったりします。


被害者が「この人だけに」なってしまうように心理的に誘導されることが多く、典型的には複数年にわたる信頼構築フェーズを経てから金銭要求に移ります(出典:turn0search1) 。


さらに、組織的な詐欺グループではメッセージ内容がマニュアル化されており、役割分担(チャット担当・送金口座用意担当・逃走担当など)がなされているという報告もあります(出典:turn0search18) 。


お金を要求する典型パターン

信頼関係ができあがった後、被害者に向けて次のような名目で金銭を要求することが頻繁にあります:


  • 「手術費・病気の治療費を立て替えてほしい」
  • 「勤務先で事故・トラブルが起きたので弁護士費用が必要」
  • 「出張先で関税・税金・荷物の清算ができない」
  • 「暗号資産やFXで将来資金を作ろう。最初にこの金額を入れてほしい」


このように少額から始まり、出金できたという“演出”を挟み、さらに「もっと大きなお金を入れないと損をする」「ここで踏み切らなければあなたとの未来がなくなる」といった心理的圧力がかかります(出典:turn0search4) 。


SNS型投資詐欺とのハイブリッド

最近では、恋愛要素に加えて「高利回り投資」「暗号資産」「副業案件」といったキーワードを絡ませた詐欺が急増しています。


いわば「ロマンス詐欺 × 投資詐欺」のハイブリッド型で、恋愛という心理的信頼を入り口に、投資案件へ誘導するパターンです(出典:turn0search14) 。


このタイプでは、「一緒に将来資産を作ろう」「君のために稼いでいる」といった言葉が使われ、被害者は恋愛+経済的期待の二重の罠にハマっていきます。

犯行が活発な地域と「詐欺学校」の実態

ナイジェリア周辺の地図


「ナイジェリア詐欺」から国際ロマンス詐欺へ

1980年代〜90年代にかけて、いわゆる「ナイジェリアからの手紙」形式の419詐欺が世界的に知られるようになりました。


この流れから、ナイジェリアでは若者が詐欺に従事する「ヤフーボーイ」として社会問題化しました(出典:turn0search1) 。


その後、手口・媒体が変化し、インターネット・SNSを使ったロマンス詐欺という形で世界中に広がっています。


西アフリカ一帯への広がり

現在ではナイジェリアだけでなく、ガーナ等の西アフリカ諸国を含めて詐欺組織が展開され、「養成所」「訓練所」のような施設があるという報告も出ています(出典:turn0search1) 。


こうした施設では、詐欺手法・口座開設・送金ルート確保などが“教育”されており、詐欺側の組織化・大規模化の一因となっています。


その他の拠点

さらに、ロマンス詐欺・投資詐欺を含むSNS型の詐欺は、東欧・アジア・北米など複数地域から仕掛けられており、被害者の国籍・言語・送金手段を分散させることで摘発を回避する構造が指摘されています(出典:turn0search18) 。


つまり「拠点が海外」「被害者が日本」「送金もグローバル」という構図が、国際ロマンス詐欺の特徴となっています。

被害事例:現実に起きた「偽りの恋」

「レディコミの女王」井出智香恵さんのケース

漫画家で「レディコミの女王」と呼ばれる井出智香恵さんが、2018〜2021年の3年半にわたって国際ロマンス詐欺に遭い、総額約7,500万円をだまし取られたという事例があります(出典:turn0search1) 。


彼女は、俳優マーク・ラファロ(『アベンジャーズ』のハルク役)に成りすました人物からSNSで接触され、ビデオ通話で“本人らしき”映像が送られて信頼が築かれた後、「妻との離婚調停中で自分のお金が使えない」などの理由で送金を迫られたとのことです(出典:turn0search1) 。
この例は、たとえ知名度のある人物・活躍中のクリエイターであっても、詐欺のプロセスに巻き込まれうるということを示しています。


日本各地の典型事例

日本での実態では、被害額・件数ともに増加傾向にあります。例えば、2024年には日本国内でロマンス詐欺・投資詐欺を含むSNS関連犯罪の被害が、約1,268 億円に上ったと報じられています(出典:turn0search10) 。


また、平均被害額が1,000万円を超えるケースも少なくないという報告(出典:turn0search8) 。


詐欺手口も「戦地の兵士」「海外投資家」「著名人」「遺産相続」など多様化しており、被害者は「出会いを楽しみたい」「一緒に将来を築きたい」と思った瞬間に罠にかかってしまいます。


被害後の二次被害リスク

被害を受けた後に、「お金を取り戻すために別の業者に相談したらさらにだまされた」「返金代行という名目で追加出金を迫られた」といった二次的な詐欺リスクも報告されています。


被害直後から冷静な相談窓口を確保しておくことが重要です。

被害に遭ったかもしれないと思ったときの対処

苦悩する中年女性


まず最初にやるべきこと

送金を止める:金銭のやりとりを即座に停止してください。
連絡を中断する:詐欺相手との連絡をできるだけ断つことが重要です。
証拠を保存する:メッセージのスクリーンショット、送金履歴、使用したチャットアプリ名・URL・相手のアカウント情報などをできる限り保存してください。
銀行・暗号資産取引所に相談:送金直後であれば口座凍結や払い戻しの可能性があります。


相談先

警察:日本国内では「#9110(迷惑・不審電話相談窓口)」や各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口があります。
消費生活センター:消費者ホットライン「188」を使って相談可能です。
弁護士:被害を受けた後の損害賠償請求、加害者の特定支援などを行うことができます。ただし、海外との関係がある事案では回収が困難な場合も多いです(出典:turn0search4) 。


お金は戻ってくるのか?被害回復の現実


国内口座への振込の場合

加害者の口座に資金が残っていれば、振り込め詐欺救済法に基づき分配金が支払われる可能性があります。


また、銀行が一定の条件で返還対応をする場合もあります。


ただし、既に口座から出金されていたり、暗号資産に変えられていたりすると、実質的に回収は極めて難しいです。


海外送金・暗号資産・ギフトカードの場合

詐欺師が海外拠点を使い、暗号資産やギフトカード経由で送金を受けているケースでは、回収の可能性は非常に低くなります


警察捜査や国際協力を経ても、実際に返金されたという事例は稀です(出典:turn0search16) 。


「絶対に取り戻せる」とうたう返金代行業者には特に注意が必要です。

予防策:「ここに当てはまったら一歩引く」チェックリスト

パソコンに向かう詐欺師


行動・メッセージの赤信号

  • 直接会ったこともない人が「運命の人」「結婚したい」「もうすぐ会おう」と急に距離を詰めてくる。
  • プロフィールがあまりに完璧すぎる(高収入・高学歴・海外勤務・医師・軍人など)。“理想すぎる”設定には要注意(出典:turn0search1) 。
  • 会話がチャットやメッセージばかりで、音声通話・実物の顔合わせ・ビデオ通話での確認ができない。
  • 「送金してほしい」「投資を一起にやろう」「暗号資産で〇〇万円を入れてくれたら利益が出る」といった話が出る。
  • 別のチャットアプリ・SNSに誘導された。


身を守るための具体的ルール


  • 「直接会ったことのない人にお金を送らない・貸さない・投資しない」を徹底しましょう。
  • オンラインで知り合った人が「お金の話」を出してきたら、一旦必ず家族・友人・公的相談窓口に相談する時間を持つ。
  • プロフィール画像やID写真に違和感がないか、画像検索や逆画像検索で調べる習慣をつける(出典:turn0search16) 。
  • 自分は「デジタル防御力がある」と過信しない。中高年世代こそ、詐欺手口の変化を学び続けるべきです。
  • SNS・マッチングアプリの利用時には「出会い系」ではなく「友人・交流目的」に限定し、金銭交渉が始まったら警戒する。

まとめと相談先一覧

要点の再確認

国際ロマンス詐欺は「恋愛」という感情を入り口に、信頼構築→金銭要求という順で巧みに進行します。


しかも国境をまたいだ構造/暗号資産等の技術利用により、被害回復が極めて困難なケースも多いのが現実です。


「もしも自分が被害に遭ってしまったかもしれない」と思ったら、すぐに送金を止め、証拠を残して、信頼できる公的機関・専門家に相談することが被害の拡大を防ぐ鍵となります。


主な相談窓口リスト

  • 警察相談専用電話「#9110」または最寄りの警察署サイバー犯罪相談窓口
  • 消費生活センター(電話「188」)
  • 弁護士会・法律相談窓口(国際詐欺・サイバー犯罪に詳しい弁護士への相談をおすすめ)
  • 銀行・取引所等の金融機関(送金停止・口座凍結の可能性の確認)