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住宅ローンを残して夫が家出した場合、どうなるのか?
今回はそういう話をします。
家族の中で主な稼ぎ手は夫であるという前提で話を進めます。
主な稼ぎ手が妻である場合、共働きで半々くらいの場合も応用で理解できると思います。
長期間行方不明になると、死んでみつかるより恐ろしい事になるという話です。
※自殺の場合は条件があります。
結論
とにかく、夫を見つけるしかない。
生きてみつかり、仕事に復帰してローン支払を再開してもらうのがベスト。
しかし、たとえ亡くなっていても、遺体がみつかれば、残された家族は救われる。
ローン滞納が続くと、差し押さえ・競売になっていきます。
そのプロセスを説明します。
一家の大黒柱が家出・失踪して何カ月も見つからないとしましょう。
その間、収入がないわけですが、ローンの支払いは猶予してもらえません。
最初は貯金を取り崩したり、親戚から借金したりして返済を継続するでしょう。
その間に何か良策が見つかればいいですが、さもなくばやがて力尽きてきます。
ついにローンの滞納が始まります。
ローンを滞納すると、銀行から催促の手紙が届きます。
督促状から催告書へ
最初は柔らかい丁寧な口調の督促状です。
しかし、滞納が続くと、やがて厳しい口調の催告書に変わります。
一般的には6回滞納をすると「期限の利益」を喪失します。
6カ月連続でなくても合計6回でです。
実際には銀行の方針や債務者の誠実な説明の有無でも少し変わります。
「期限の利益」喪失とは?
「期限の利益」を喪失した時点で、銀行は債権を保証会社に売却し、残債分の支払いを受けます。
これで銀行は貸した金を全部回収したので、家の持主とはもう関係ありません。
今後は保証会社が相手です。
さて、「期限の利益」とは、何十年もかけて分割で支払っていける利益です。
それを失ったわけですから、債権者は債務者および連帯保証人に一括返済を求めることができます。
実際、保証会社は一括返済を求めてきます。
しかし月々のローンが払えないのに残債の一括返済などできるわけがありません。
すると保証会社は家を差し押さえた上で競売にかけます。
(この場合は「きょうばい」ではなく「けいばい」と読みます)
競売(けいばい)は裁判所が主催する競売(きょうばい)、オークションです。
元家主は物件が競売で落札されたら立ち退かなくてはなりません。
住めるのは落札者が代金を支払ってから最長2カ月で、その時点で強制退去になります。
常識的にはもっと早く、自主的に退去すべきです。
「そんなことになる前に家を売ってしまえばいいではないか?」
そう思われるかもしれません。
もし売却が可能なら、そのとおりです。
しかし、それはほとんど不可能なことを説明します。
行方不明の夫は土地・建物の所有権を持っているはずです。
奥さんと共同名義の場合も、奥さんが売れるのは自分の持ち分だけ。
夫の許可なく夫の持ち分まで処分できません。
1軒まるまるの売却には所有者全員の同意が必要なのです。
何か救済してくれる法手続きはないのでしょうか?
未来永劫手つかずで放置はできませんから、当然救済措置はあります。
失踪宣告と不在者財産管理人制度です。
失踪宣告は?
行方不明や失踪で7年以上経過している場合、裁判所に「失踪宣告」の発出を申し立てることができます。
(ただし、戦争、船舶の沈没、震災などで行方不明になった場合は1年経過でOKです。)
これが認められれば、当人は死亡の扱いになり、家を相続して売却できます。
しかし、7年もの間、住宅ローンを代わりに払い続けられる資力のある人は稀です。
ほとんどの人には救済策にならないでしょう。
不在者財産管理人制度は?
まず財産管理人を家庭裁判所に選任してもらいます。
失踪宣告のように7年も待つ必要はなく、行方不明になってすぐ選任の申し立てができます。
しかし、不在者は「従来の住所または居所を去り、容易に戻る見込みがない人」とされています。
そのため、行方が分からなくなって1週間や1か月程度では選任されません。
ある弁護士サイトは半年以上かかると言っていますが、実際はもっとのようです。
次に財産管理人が「権限外行為」を行う許可を家庭裁判所からもらう必要があります。
これが認められれば、売却は可能になります。
しかし、これもそんなに簡単に許可されません。
売ってしまった後にもし不在者が現れたらどうなるのか?
それを考えれば、簡単にできないようになっているのは当然です。
こういうわけで、「不在者財産管理人制度は救済策として期待できるものではない」と下記のサイトは言っています。
いずれにせよ、数カ月とか1~2年帰ってこない程度では事は進まないと思ったほうがいいです。
売却が認められる前にローンの支払を続ける資力が尽きる可能性が高いです。
残された家族は不合理に思うでしょうが、一概にそうとも言えません。
法律は帰ってくるかもしれない者の権利も保護しなければならないからです。
逆の立場で考えてみてください。
何かの事情で連絡を断っていた後、帰宅したら自分の家が勝手に売られていたらどうですか?
絶対納得できないし、損害賠償請求を提訴する人も出てくるはずです。
だから不在者の不動産売却は簡単にできない仕組みになっているのです。
家を売却する障害は、所有権問題のほかにもあります。
ここでは、いったん、所有権問題を解決できていると仮定しましょう。
不動産屋さんに相談して、家が残債より高く売れそうならラッキーです。
無事狙い通りの値段で売れれば、ローン完済で一件落着です。
賃貸に移って再出発となりますが、特別な障害はありません。
しかし、家を売って返済しても多額の残債が残る場合はどうするか?
こういう状態をオーバーローンといいます。
新しい家に多いオーバーローン
頭金をたくさん用意できる人以外は、買ってから10年くらいはオーバーローン状態が普通です。
家は一度でも人が住むとまだ新しくても中古住宅であり、新築時より大きく値下がりします。
だからそれを売っても新築にかかった費用をまかなえないわけです。
価値の下がった土地や家
近所が水害に遭ったりすると、一帯の地価が大きく下がります。
家に雨漏り、傾き、白アリが見つかった場合は、家屋の価値が極端に下落します。
こういう場合は、突如オーバーローンになる場合もあります。
残債分を用意しないと売却は無理
オーバーローンの場合は、家を売って返済してまだ残る残債分を別に用意しなければなりません。
例えば、ローンの残りが4千万円あり、家を売っても3千万円にしかならないなら、1千万円を別に用意する必要がある。
そうやってローンを全額返済できる用意をしないと、債権者は抵当権を抹消してくれません。
抵当権がついたままの家を買う人などいません。
しかし、月々のローンが払えない状態になっているのに、そんなお金を調達できるケースは稀です。
そうすると結局、家を売ろうにも売れない。
夫の帰宅を待ち望みながら、ローンを払い続けることになりやすい。
そしてついに滞納が始まり、期限の利益喪失、競売という最初のお話の流れになっていきます。
稼ぎ手が行方不明にならなくても、住宅ローンの支払いが困難になる事態はよくあります。
減給、失業、病気、自分の事業の業績悪化などです。
そういう場合に大きく2種の施策があるのですが、このケースに使えないでしょうか?
結論から言うと、どれも債務者本人がいないとできない施策ばかりなので、まず無理です。
リスケと借り換えがあります。
減収の対策としてポピュラーなこの2つの方法も、本人がいないと手続きできません。
追い詰められている家族は、四角四面のように思うかもしれません。
しかし、住宅ローンを本人以外の人間が勝手にいじれたら、それはまた別の怖い事態を生みます。
リスケジュール
通称リスケは、一定期間の返済猶予のことです。
銀行に事情を話してお願いし、半年とか1年間、月々の返済額を減らしてもらうものです。
最低でも利息分は払うように求められるのが普通です。
これは本人がいて収入復活の見込みがないとできません。
奥さんがローンの保証人でも、債務者本人がいなければできないのが原則です。
住宅ローン借り換え
もっと月々の返済が小さいローンに借り換える、などです。
借主本人がいないとできない手続きです。
住宅ローンの返済が行き詰まった時の解決策をあと2つ紹介しておきます。
ただ、これらも結局、所有権問題を解決して、売却ができないと無理です。
裕福な親族に買ってもらう方法
資産価値のある家、例えば高級住宅地の状態のいい家なら買ってもらえる可能性があります。
残債も肩代わりしてもらい、住み続けて家賃を払っていくことで返済に替えます。
ただ、そんな裕福な親族は誰にでもいるものではありません。
また、地価が下がり続けている地区の家なら買ってもらえないでしょう。
リースバック
テレビCMでよくやっている「売った家に住み続けられるサービス」です。
しかし、実際はそんなに甘くありません。
恐ろしく安い値段で買われて、恐ろしく高い家賃を設定されるのが現実です。
とりあえず競売は避けられます。
引っ越し代も出せないくらい追い詰められていた人には救いになる場合もあります。
次の物件を見つけて普通に引っ越せるくらいの余裕は持てます。
しかし、とてもじゃないが、長く住み続けられるようなものではない。
資産を馬鹿げた安値で投げ売りしてしまうようなものです。
しかし、この程度のメリットしかない策さえ、本人不在だと売却が無理なので使えません。
任意売却というのは、上に挙げた対策とは性格が違いますが、スペースの都合上、ここで述べておくことにします。
期限の利益を失ってしまった場合に取れる、競売より少しだけマシな方法です。
結論から言うと、任意売却もほぼ無理で、おそらく競売一択になります。
参考サイト: 所有者行方不明で任意売却は可能か?(不動産サイト)
任意売却とは?
任意売却は普通の不動産売却とは似ているようで違います。
債権者が保証会社に移った後、裁判所に競売の申し立てをする前の選択肢です。
不動産を売ってローンを完済できるなら、もしくは不足分を別途用意できるなら、普通に売却すればよいです。
しかし、売っても完済できず、不足分の補充もできないなら、通常債権者は売却に同意しません。
抵当権は抹消されず、売ることはできません。
しかし、例外的に残債が残るのに売却に同意して抵当権を解除することがあります。
普通の不動産取引のように不動産屋に仲介してもらって売ります。
なぜかというと競売で売ると市場の相場の7割程度の安い売値になるからです。
残債を全額回収できないが、競売の場合よりも多く回収できるので売却に同意する。
これが「任意売却」です。
実行には任意売却に経験のある不動産会社が間に立って、債権者をしっかり説得する必要があります。
元家主にとっては近所に知られないメリットがあります。
競売だと家に張り紙をされます。
ほかに「引っ越し代」を出してもらえる場合があります。
その理由は「競売にかけるより、だいぶ多く回収できたから、可哀そうな元家主に少しあげてもいいでしょう?うち(仲介した不動産屋)も早く出て行ってもらわないと困るし。」みたいな話です。
相場は10~30万円くらいですが、必ず出してもらえる保証はありません。
また、競売より少し高く売れるので、家の売却代金をローン返済に当てた後の残債も競売の場合より少し減ります。
ただ、任意売却がうまくいったとしても競売よりはマシというだけで、根本的な救済にはなりません。
夫が行方不明だとこの程度の次善策さえも難しいのです。
競売なり任意売却で家を売った代金は返済に充てられます。
しかし、それでも借金が残る場合はどうなるのでしょうか?
マイホーム購入の時にだんなさんの連帯保証人になっているケースが多いはずです。
その場合は、奥さんに返済義務が残ります。
連帯保証人は、次の2つの主張が許されません。
つまり、主債務者(この場合は夫)と完全に同じ扱いなのです。
債権者と返済方法について相談して、賃貸に引っ越しした後に返済を続けていくことになります。
残債が返済できる程度の額ならいいですが、そうでない場合は自己破産なども考えなければならないかもしれません。
自己破産したら、この世の終わりみたいに言うのは誤解です。
自由に旅行できない、弁護士に手紙を検閲されるなどは免責・復権までの間だけです。
破産歴があると法律で就けない職業は、種類は多いですが、特殊なものばかりです。
たしかに、法的にOKでも昇進の道が開かれた正社員なら調査されて断られるケースは増えます。
しかし、店員や事務員などの職種で調べられることは少ないし、パート・アルバイトなら大丈夫です。
勤務先や近所に通知される、選挙権を剥奪されるなどは、都市伝説です。
しかし、10年くらいはクレジットカードも持てないし、ローンも組めません。
賃貸もいい物件は審査に通るのが難しくなります。
長期に渡って不便を強いられ、完全復活できる人は多くはないようです。
以上のように、住宅ローンを残して稼ぎ手が生死不明になると、持ち家を取り上げられた上、自己破産の危険まで出てきます。
残された家族は大変な目に遭う可能性が大きいのです。
ここでもし旦那さんの失踪が実は愛人との駆け落ちだった場合はどうでしょうか?
実はそういうケースは結構あるのです。
元の家庭と住宅ローンを放り出して、浮気相手と別な土地で暮らし始めるというケースが。
数年後には子供も生まれて楽しく暮らしている。
片や奥さんはすべてを一人で抱え込んで自己破産。
最底辺の4畳半のアパートに住んで生活保護を受けている。
こんな不公平な話はないと思いませんか?
駆け落ちではなくて「何もかも嫌になった」とかでも同じです。
そんな理由で奥さんだけが地獄に落ちるのは理不尽です。
事件・事故・心の病なら救出のために見つけてあげないといけない。
同様に身勝手な理由なら一人だけ逃げ得にさせないように見つけないといけない。
どちらにしても、旦那さんを絶対に探し出す必要があるはずです。
ここまでの話で、なんとしても夫を見つけ出さないといけないことがわかったはずです。
仕事に復帰してローン支払いを再開してもらうのがベスト。
心の病気や既に解雇済みで再就職も難しい場合は、売却に同意してもらいましょう。
しかし、想像したくないでしょうが、遺体で発見された場合はどうなるのでしょうか?
社会人男性の家出は、年齢的に30歳前後、50代の2つのピークがあります。
どちらも原因は、仕事・職場の悩みや失業がメインで、将来を悲観して失踪します。
一時的な感情で家出する事も多い十代とは違うのです。
仕事にも家庭にも重い責任を負い、本来は家出などするはずもない人が家を飛び出してしまう。
そこに苦悩の深さを読み取ることができます。
こういう事情なので、成人男性の家出は自殺率が高いのが特徴なのです。
そういう事例になってしまっている可能性は否定できません。
行方不明の原因は、自分の意思による家出ではないのかもしれません。
この場合もすでに亡くなっている可能性が出てきます。
行方不明のままだと残された家族が悲惨な事になるのはすでに見たとおりです。
一方、不幸にして自殺や事故で亡くなっていて、遺体が発見されたとしましょう。
家族の死亡は悲しいことですが、持ち家の確保の面はうまく行く可能性が高いです。
住宅ローンを組む時に団体信用生命保険、通称団信に加入しているはずです。
死亡証明があれば、団信から残債全額の保険金が下ります。
自殺の場合でもです。
ただし、自殺の場合は加入から1年以上経過などの条件「自殺免責」があります。
正確な詳細は加入している団信のHPで確認してください。
これにより、住宅ローンは完済となり、土地・建物の抵当権は抹消されます。
マイホームは完全に自分のものになり、住み続けるのも売るのも自由になります。
どうでしょう?
生死不明の場合に比べて、圧倒的に簡単で、ある意味「不幸中の幸い」的な結末になっていませんか?
この問題について、いろいろな対策を考えてきましたが、ほぼ八方ふさがりです。
結局、何としても旦那さんを見つけ出すのがベストの解決策ではないでしょうか?
その方法をお伝えします。
まず警察に捜索願い、現在の用語では行方不明者届を出します。
行方不明者は警察の判断で2種類に分類されます。
行方不明者の2分類
特異行方不明者 |
★殺人や誘拐などの事件性がある場合 |
---|---|
一般行方不明者 | ★上記以外の人 |
事件や事故の兆候がなく、遺書もない成人なら、一般行方不明者に分類されます。
すると警察内で情報共有し、通常の警ら業務中に注意を払う程度です。
見かけたら、家族には知らせてくれます。
本人には、行方不明者届が出されていることを伝え、連絡を促してはくれますが、保護まではしません。
成人は誰にも告げずに好きな場所に行く自由があるからです。
遺書がある場合も、子供の行方不明ほど大人数で本格な捜索はしてもらえません。
このように警察の捜索には限界もありますが、やはり必ず届を出しておくべきです。
現実の探偵の仕事は、浮気調査7割、人探し2割、その他1割くらいです。
密室殺人事件の推理をするのはフィクションの中だけです。
人探しのほとんどは家族の依頼による家出人・失踪者の捜索です。
つまり夫の捜索を依頼できる民間のエキスパートは探偵なのです。
捜索を依頼できる探偵社の条件
ただし、浮気調査と違ってどこの探偵社でも受任可能なわけではないです。
家出人捜索ができるには次の条件を満たす必要があります。
家出人探しをメニューに挙げている大手~中堅から選ぶことになります。
メニューに掲げていても得意とは限らないので、相談中にプロらしくない印象を受けたら、他を探した方がいいでしょう。
旦那さんが見つかった場合は、次の3つのどれかになります。
警察以外に頼れるのは探偵だけです。
探偵を雇えるお金があるうちに、全力で探すべきではないでしょうか?
「生死を問わず」です!
もちろん生きて見つけ出すのがベストです。
しかし、たとえ遺体でも見つかりさえすれば、遺族は助かります。。
そしてそれは夫を温かく弔ってあげることに通じます。
調査費用がかかっても、この分野に強い探偵を雇い、確実に発見することをお勧めします。
最後にご主人の捜索を依頼できる優秀な探偵社を紹介しておきます。
MJリサーチ 探偵業届出番号:東京都公安委員会 第30200349号
【MJリサーチ 若梅探偵】
企業概要
新富町(銀座の隣)が本社、全国11拠点の大手探偵社。
経験20年以上ののベテラン探偵たちが中核メンバーになっています。
例えば上掲写真の若梅氏は下記の実績を持つ、YouTubeでも有名な方です。
おすすめ理由
拠点一覧 2023.11現在 11ヵ所
本社 | 東京都中央区新富町(銀座の隣町) |
---|---|
東京&周辺県 | 銀座支店/品川支店/練馬支店/西東京(立川)/埼玉支店 |
北関東・東北・信越 | 群馬支社(太田市)/群馬高崎支店/福島支店 |
中部・関西 | 名古屋支店/大阪支店 |
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総合探偵社クロル 探偵業届出番号:東京都公安委員会 第30210097号
【総合探偵社クロル大原代表】
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