【コンセント型発信機の設置状況】
【小型ボックス型(左)とカード型発信機】
三角タップ型 |
電源コンセントを三又に分岐してタコ足配線するための差し込みタップに偽装した盗聴器です。 知識のない人には疑われにくく、電源も取れて電池不要なのでいったん取り付けたらずっと盗聴できるメリットがあります。 似たものとして延長コード(テーブルタップ)型などもあります。 デメリットはコンセントしか場所を選べない点と知識のある人には真っ先に疑われる点です。 |
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電源クリップ式 |
壁コンセントの内側につけるものですが、クリップではさむだけなので装着は簡単です。 これも電池交換が不要でずっと盗聴ができるメリットがあります。 デメリットはコンセントしか場所を選べない点と、こっそり壁コンセントの蓋を開けて設置する時間を確保できないと使えない点です。 |
カード型 |
縦9㎝×横6㎝×厚さ6mm程度の薄いカード型で突起物もない形状です。 家具の隙間、本棚の隙間、置物の裏、衣類のポケットなど、いろいろな場所に仕込めます。 設置も回収も短時間で容易に行えますが、電池寿命が長くて数日程度しか持たないのがデメリットです。 |
ボックス型 |
縦5㎝×横3㎝×厚さ2㎝程度の箱に20cmほどの長いアンテナがついた機械です。 このサイズが入る場所ならどこにでも設置できます。 例えば会議室のテーブルの裏やぬいぐるみの中など。 サイズが大きいのはカード型に劣りますが、電池寿命がカード型の10倍くらいあります。 |
【モジュラー型(左)とボールペン型発信機】
常時電源供給型 |
コンセントに差し込んで使うタップ型や壁コンセントの内側につけるものが代表的。 電池交換の必要がなく、一度設置すると後はケアなしで半永久的に盗聴できる。 |
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電池式 常時起動型 |
電池式でずっと起動して電波を発するもの。 電池寿命はカード型で数日、ボックス型で数週間。盗聴を継続するには電池を交換しに行く必要がある。 また常時電波を発しているので、探査が入ればバッテリー切れを起こしていない限り、発見される。 |
電池式 リモコン起動型 |
電池式だが遠隔操作でスイッチのオン・オフをできるもの。 電池の寿命は長くなり、オフにしている時は探査にひっかからないのがメリット。 後に述べるVOX型より大きく、高価。しかも電波の到達距離が100m程度と短いため、不便。 よって普及率は低い。 |
電池式 VOX型 |
電池式だが、センサーが音を検知した時だけ起動するタイプ。 電池の寿命は長くなり、現場近くまで行ってリモコンをオンオフする手間も不要。 自動録音機とセットで使うと盗聴内容から必要な部分を取り出す作業が大幅短縮できる。 |
【盗聴の受信機】
VHF 144.000Mhz付近 |
A波 139.970 B波 140.000 C波 139.940 |
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UHF 400.000Mhz付近 |
A波 398.605 B波 399.455 C波 399.030 |
盗聴器発見器は市販されており、誰でも購入できます。
これを用いて自分で探査する場合の注意を述べます。
楽天、Amazonなどネットで普通に売られています。
秋葉原の電気街にもあるし、グレーなイメージの盗聴器と違い、盗聴器発見器を売っている店は多いのです。
もちろん盗聴器専門店でも売っています。
探偵社でも独自に開発した機種を販売しているところがあります。
価格は最も安い物で500円くらい。もちろん機能は簡単で精度も限界があります。
一般的には数千円~数万円程度です。
しかし、電界強度計、盗聴ではなく盗撮を探知できる盗撮発見器のようなより専門的な機器もあります。
低周波から高周波まで周波数成分を分析できるスペクトラムアナライザーなどはより大型で50万円~数百万円と高額です。
ただ、国家のスパイとかではない普通の盗聴魔は、通販で買った普通の盗聴器を使っているので、たいていの場合、発見には普通の機器で十分です。
【電界強度計(左)と盗撮発見器】
盗聴器は集音してそれを電波に変換して送信します。
盗聴器発見器はその電波を捉えると音が出る仕組みになっています。
音が大きくなる場所を探して盗聴器を見つけます。
逆に言うと、スイッチがオフになっている盗聴器やバッテリー切れを起こしている場合は、盗聴器発見機で見つけることはできません。
家の電気のスイッチに連動して起動する盗聴器や音にセンサーが反応して起動する盗聴器(VOX)もあります。
そういうものが仕掛けられている場合に備えて、起動させる作業です。
室外ではいろいろな電波が飛び交っていてそれが室内に入ってきて壁での反射を繰り返しています。(外来波)
盗聴器発見機は外来波に反応して鳴る場合もあります。
だから盗聴器発見器が鳴ったら必ず盗聴器があるとは限らないのです。
外来波と盗聴器の電波の見分け方を教えましょう。
外来波は反応場所や強度が不安定なのに対し、盗聴器の場合は反応が局所的で強度が安定しています。
例えば壁の場合、壁全体で反応があって何もしていないのに音の強弱が変化するのは外来波です。
一方、一か所で強く反応するならそこに盗聴器が埋め込まれています。
電波受信はアンテナの先端ではなく、側面で行っています。
だから盗聴器の反応音が出て移動することで音が大きくなった場合、盗聴器はアンテナの先端方向ではなく、横方向にあります。
盗聴器のアンテナと発見器のアンテナが平行になった時に音が大きくなります。
このことを頭に置いてアンテナの向きを変えながら場所を探ってください。
普通の盗聴器は一定の出力があって電波が壁で乱反射するので、アンテナの方向をそんなに気にしなくても探せます。
しかし微弱な電波の盗聴器の場合はこのテクニックが重要になるそうです。
電源タップ偽装型なら電源タップの大きさです。
カード型ならクレジットカードサイズ、ボックス型はもっと大きくて長いアンテナがついています。
電池式のものは電池よりサイズが大きいということになります。
ボタン電池で動く超小型もあるが持続時間が短いので非実用的です。
薬のカプセルや髪の毛のようなサイズの盗聴器もあるのではないかと疑いだすと探査が大変になります。
そういうものが仮にあったとしても非常に高価なはずので一般人対象の盗聴に使われることはないでしょう。
探偵の現場ではそんな話は聞いたことがないそうです。
電話回線が多い、敷地面積が広い場合などは専門業者に頼んだ方がよいです。
自力で探査する場合は社長室や会議室などが重要な探査場所です。
会議室で見落としやすいのはホワイトボード付近、ゴミ箱の裏、黒板消しの中などです。
盗聴器が見つからないのに情報が洩れている気配がある時は、会議出席者のレコーダー持ち込みを疑いましょう。
ペン型レコーダーは机の上に置いても目立たず、クリアに音を拾えます。
すぐに撤去すべきかちょっと考えましょう。
撤去してしまえば盗聴器発見が設置者に発覚し、設置者の特定は難しくなります。
しばらくそのままにしてニセの情報を流すなどし、泳がせた上でしっぽをつかむ方が得策かもしれません。
コンセント差し込みプラグ型はコンセントから抜いて中を開けてみればわかります。
カード型やボックス型は形状から盗聴器であることは明白です。
これらは素人でも撤去できます。
しかしコンセントの蓋の中に設置してあるものの撤去は電気工事の資格が必要なので業者に依頼しましょう。
一番やっかいなのが電柱上の電話線に設置された盗聴器です。
下手にいじるとショートして付近一帯の電話が不通になります。
必ずNTTの作業員に依頼しましょう。
盗聴器は1個とは限りません。
室内と電話に1個ずつつけるなどという場合も多いです。
同じ部屋の違う場所や他の部屋も徹底的に探査しましょう。
盗聴器発見・除去を専門業者に依頼する場合の注意をまとめました。
この仕事の依頼先は探偵社(=興信所)ですが、受けない探偵社もあります。
ほかにはこの仕事を専門にやっている業者もあります。
なお、警察に頼んでも引き受けてはくれません。
警察が動くのは暴力沙汰や窃盗などの事件性がある場合だけです。
一番大切なのは料金が明快なことです。
水回りの工事と同様にぼったくりが多いので注意しましょう。
基本料金が安くても、依頼した後で下記のような様々な費目を別途上乗せし、総額はとんでもない金額になることもあります。
料金については事前によく話を聞いて、見積書も提出してもらいましょう。
そこで専門技術用語などを持ち出して煙に巻こうとするようだとやめておくべきです。
悪徳業者の中には自分で盗聴器を持ち込んで発見作業中に設置し、発見できたことにする輩もいるそうです。
電話応対や商談中の態度に何か信頼しきれないものを感じた時はやめておく方が賢明かもしれません。
機材については良い物を持っているに越したことはないが、機材の充実度だけで業者の良しあしは判断できません。
高額な機械も使いこなせる技術を持っていなければ無意味で、機械への設備投資は当然価格に跳ね返ります。
ほとんどの盗聴器は原価数千円のローテク機器であり、そんなに高額な機材を使わなくても見つけられるものです。
保有機材はあくまで判断材料のひとつにとどめた方が良いと思われます。
一般的一戸建て住宅で9万円ぐらい(出張費込みの総額)だそうです。
盗聴器が見つかっても見つからなくても料金は変わりません。
探偵社は盗聴器の発見・除去は請負いますが、まともな業者であれば設置は請け負いません。
調査に盗聴器を使用することもしません。
彼らが使うのは、尾行・張り込み・公共ないし共有場所での撮影・聞き込み・データ調査などの合法的手段のみです。
盗聴器設置を請け負うような業者は危険で、犯罪行為やトラブルに巻き込まれる可能性が高いので避けるべきです。