探偵に仕事を依頼するなんて、大半の人は一生に一度あるかないかです。
電話するのも不安、まして事務所に行くとなると緊張を感じる人が多いと思います。
浮気調査を頼む時、どんな流れになるのでしょうか?
簡単に整理してみました。
読者の背中を押す助けになれば幸いです。
最初の問い合わせは普通、電話かメールで、最近はLINEも使える探偵社が多いです。
「今から行ってもいいですか?」と電話をかけて、いきなり訪ねてくる人もたまにいますが。
電話は365日24時間対応、無料相談アリのところが多いです。
手早くいろいろ話せるのが電話の利点です。
しかし、電話をかけるのが怖い人はメールやLINEを使いましょう。
いずれにせよ、下記くらいの情報は最低求められます。
氏名/性別/住んでいる都道府県/メールアドレス/相談内容の概略
電話なら電話の中で、メールやLINEなら折り返しの連絡で、探偵社は事務所を訪問して面談するよう求めてきます。
これは率直に言えば次のような自社の利益を考えてのことです。
※一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度。
しかし、それを嫌ってリモート面談で契約したりするのは、かえって依頼者に不利だと思います。
事務所訪問は会社の実態を観察するいい機会だからです。
例えば実際に行ってみて、下記のような様子なら依頼はやめた方がよくないですか?
こういうことは契約してしまう前に確認すべきです。
浮気調査では信頼できる探偵を見つけることが何よりも大切なのです。
相手が契約を確実に取るために呼ぶなら、こちらも契約前に会社の実態を確かめる目的で行く。
そういう考え方で思い切って訪問のアポイントを取る方がいいと思います。
入り口で名前を告げると相談室に案内されます。
下記のようなことをはじめ、いろいろ聞かれるので答えていきます。
一方的に情報提供するばかりでなく、こちらからも質問しましょう。
会社の概要や料金システムなど、聞いておきたいことを事前に整理して臨むとよいです。
たとえば写真が平均的にどんなレベルなのかは聞いておいた方がいいです。
下手な探偵社、格安探偵社は後ろ姿の写真ばかりです。
写っているのが誰かわからないような写真は、当然裁判の証拠には使えません。
ひどいのはホテルの駐車場に停まっているマイカーの写真だけで、人物の写真がない例までありました。
裁判などそうあることではないとおっしゃるかもしれません。
しかし、そうなってしまった時に「証拠として使えるものを!」と言っても遅いのです。
パートナー当人も「後ろ姿は似てるけど人違い」などと強弁してきます.
「顔がハッキリ写った正面写真もたくさん撮ってくる」と即答できないような探偵社はレベルが低い。
依頼するのはやめた方がいいでしょう。
そして話をしながら、下記のような点を心の中で観察します。
あまりしっくり来なかったら、そこには頼まない方がいいです。
十分納得できる依頼先がみつかるまで踏ん張りましょう。
逆に信頼できそうな探偵社が見つかったら、詳しく情報提供しましょう。
情報が多ければ、より良い調査方法の提案をもらえる可能性があります。
調査の実施内容の骨子と概算費用を示してくれます。
調査計画は依頼者と相談しながら作ります。
依頼者の要望を聞いて計画を作ると盛りだくさんになり、予算が膨らむ傾向にあります。
まずそういう計画を作って、予算が足りない場合は優先順位の低いものを削っていくやり方を取る場合もあります。
投入する探偵の人数くらいは明示しますが、車の台数までは明示しないことも多いです。
料金のことは詳しく聞いておくべきです。
探偵社の料金システムは会社によっていろいろです。
最初に経費込みの総額を決めて追加請求をしない会社もあります。
しかし、契約時に確定しない費目がある場合は注意せねばなりません。
最終的にいくらになるかわからない買い物ほど怖いものはないですから。
例えば調査料金が前払いで、経費が後日精算の場合。
「経費はガソリン代や電車賃とかのはずだから、知れているだろう」などと勝手に判断してはいけません。
経費には何が含まれていて、概算でいくらぐらいに収まりそうか、ちゃんと確認を取ってください。
悪質な業者では、経費に予想外のいろいろな費目が含まれていて、調査費用より高い場合もあります。
「成功の定義」とは「何をもって『成功』というのか?」ということです。
例えば、依頼者は「顔がちゃんと写ったホテル出入りの写真を撮る」のが成功だと思っている。
裁判で使える「不貞行為の証拠」はそういう写真ですから、この期待は過大ではない。
ところが探偵は、居酒屋でデートしている写真が撮れたので「成功」と言って成功報酬を要求してくる。
・・・といった具合です。
ほかにもいろいろな結果が考えられます。
後で揉めないように、事前に各場合で成功報酬はどうなるのか、しっかり確認してください。
依頼先を決定したら、いよいよ契約です。
契約の仕方について探偵業法で2つのルールが定められています。
依頼者の誓約と重要事項説明です。
契約に先立ち、依頼者は調査の結果を違法な目的で使用しないと書面で誓約することが求められます。
探偵がこういう目的で利用されないように、最初に依頼者に書面で誓約させる仕組みになっています。(第七条)
そしてそこで依頼者が嘘をついても、調査開始後に違法な目的だとわかれば、その時点で調査を中止せねばなりません。(第九条)
すなわち、これは調査される側の人権を守る目的の手続きです。
探偵とのあらゆる契約に定められている手続きなので、浮気調査の場合も必要です。
といっても探偵社が用意した誓約書に署名するだけです。
探偵業法第八条は、契約に先立ち、書面を交付して重要事項を説明しなければならないと定めています。
重説は、不動産の賃貸・購入、語学スクールや美容サロンの長期プランなどの契約の際にも義務付けられています。
重説の義務化により、探偵との契約が昔よりずっと安全になりました。
すなわちこれは消費者(=依頼者)を保護する目的の手続きです。
説明すべき重要事項のリストはあらかじめ法律で定められています。
法律の条文そのままではわかりにくいので、日常語に翻訳しました。
以上を契約前に書面を渡して説明することが義務付けられています。
契約が成立すると、以上の内容が書かれた重要事項説明書を契約書といっしょにくれます。
写真を中心に外見的特徴なども総合して判断し、人違いをしないように注意します。
できるだけ詳しく教えてあげてください。
昔の写真しかなくて今と全然違うなら、外見的特徴などほかの特定材料が多めに必要です。
写真が1枚もない場合も何か対象を特定できる情報があればOKです。
たとえば「別居中のこのマンションの何号室から出てくる男性」とか。
それも難しい場合は、スタート時のみ依頼者に現場立会をお願いする時もあります。
冬場でマフラー・帽子・マスクにくるまれて写真だけで特定しにくいような場合も同様です。
喫煙する場合、最近は喫煙者が減っているので有用な特定材料です。
特にコロナ流行が始まってからは、煙草を吸うためにマスクを外した時に顔が確認できるので、役に立つ情報です。
この期間は、依頼者の言動によって調査が発覚しやすい時期です。
調査のことばかり考えすぎるあまり、普段と様子が違うのを見抜かれる。
そして問い詰められて白状してしまうのです。
白状まではしなくとも、不審に思われると調査に影響が出ます。
浮気を延期されて空振りになったり、当日警戒度が高くて尾行が非常にやりにくくなったりします。
なるべく浮気や調査のことを考えず、普段と違う言動をしないで過ごすように務めてください。
この問題に関して下記にもっと詳しい情報があります。
普段は予定を聞かないのに、予定を聞いたりするのはやめてください。
「今日、何か特別なことをしますよ」と相手に教えているようなものです。
また、稀に調査現場を見に来る人もいますが、絶対やめてください。
対象に見つかってぶち壊しになった事例があるし、探偵も集中できなくなります。
ただし、尾行スタート時の本人確認が難しい場合に、スタート時のみ立会を求められることがあります。
人違いの尾行は調査が全部ムダになります。
それを避けるには依頼者に最初に確認してもらうのが一番簡単だからです。
例えば冬場で帽子やマフラーに隠れて顔が見えにくいことが予想される場合。
あるいは本人確認しやすい写真が用意できなかった場合です。
この時は探偵の指示に従ってください。
調査結果を報告書にまとめて、事務所で説明してくれるのが普通です。
写真を時系列で貼りつけ、撮影の日時・場所、対象の行動などが書かれたものです。
【浮気調査報告書】
格安探偵の場合は報告書を作らず、写真の束を渡してくる場合もあります。
また、報告書作成は別料金の探偵社もあります。
事前に納得しているならそれでも構いません。
しかし、慰謝料請求や離婚裁判にも備えるなら、裁判官が見やすい報告書形式にすべきです。
浮気調査は調査完了がゴールではありません。
逆にそこが次の人生のスタート地点なのです。
調査結果を受けて依頼者がどう進みたいかによって様々な「次の課題」が浮かび上がってきます。
進路 | 課題 |
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関係回復したい |
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一方的に離婚されるのを防ぎたい |
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離婚したい |
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以上のような課題解決のためのアフターケアを充実させている探偵社も多いです。
例えば、資格を持ったプロのカウンセラーを置いている探偵社もあります。
調査後一定期間は無料というところも。
不貞行為慰謝料や離婚問題に詳しい弁護士と提携している探偵社は多いです。
1回無料相談がついているところなどもあります。
浮気調査が信頼できる内容だったなら、アフターケアも利用していけばいいと思います。
離婚を考えている人は自分でも少し勉強しておく方がいいです。
慰謝料や財産分与で損をする人、養育費を途中で払ってもらえなくなる人が多すぎます。
ただ、勉強といっても何の本を読めばいいかもわからないと思うので、下記の2冊をとりあえず読んでください。
1冊目は弁護士が、2冊目は2回の離婚を経験してシングルマザーを支援する活動をしている方が書いた本です。
当サイト内に5分で読める要約を収録しています。
浮気調査の実際は以上のような感じです。
いつまでも一人で悩んでいても事態は改善しません。
真実を知り、人生を一歩前に進めてみてはいかがでしょうか?