「不倫の恋で苦しむ男たち」亀山早苗 著の要約|恋愛・結婚問題のフリーライター

「不倫の恋で苦しむ男たち」亀山早苗 著の要約|恋愛・結婚問題のフリーライター

不倫の恋で苦しむ男たち

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浮気や離婚の関連書籍の要約を紹介するコーナーです。

 

今回の本は下記。
不倫をしている男性のルポルタージュです。

 

「不倫の恋で苦しむ男たち」 
亀山早苗 著 WAVE出版 1,400円(税別)

 

 

著者の亀山氏は、恋愛・結婚問題に関する取材が多いフリーライターで、不倫をしている男たちに実際に取材してその心の内を探った本です。

 

 

第1章 不倫の恋をする男たちの喜怒哀楽

この本では、徹底したプレイボーイ、セックスだけの割り切りのつきあいをしている男は除き、妻以外の相手を本気で好きになってしまった男だけを取り上げる。

 

出会い
配偶者との不仲、自分の人生への疑問、情熱を傾けるものの不在などの条件がある時、あらゆる出会いが浮気のきっかけになりうる。

 

映画館で隣にいた人、子供の喧嘩相手の母、出産を手伝いに来てくれた義妹・・・

 

石井氏の場合、婚約を破棄されて落ち込んでいた部下を励ますために、時々食事をしたりするようになったのが始まりだった。

 

恋心
恋心を抱くきっかけは、やはり「自分のことをわかってくれる」と感じた時が多い。

 

マイナーな映画の趣味が似ているとか、妻や友達に話せないことを話せるとか、会社で不当な扱いを受けた時に味方になってくれたとか。

 

恋に落ちて
既婚者男性の場合、相手と知り合ってから肉体関係になるまで、一般的にはかなり時間がかかっている。

 

男女関係になったら家庭を壊しにくるような女性でないか見極めたい計算が働くせいのこともある。

 

チャンスを待っている場合もある。

 

石井氏はこの時を逃せば部下と上司の関係で固まってしまうと思った時に行動を起こした。それは彼女も望んでいたことだった。

 

葛藤・苦悩
半年ほどすると、彼女が帰られて一人になるのがつらいと訴えるようになり、もめたが、彼女が大人になってくれて、関係はさらに続いた。

 

妻はさっぱりした性格で疑いもしなかったが、家族に申し訳ないという気持ちは強かった。

 

しかし、心筋梗塞で倒れて3カ月間、妻の甲斐甲斐しい看病を受けたことで不倫の恋心は醒めた。

 

不満な彼女は会社をやめ、妻に嫌がらせの電話をしたが、1年後の結婚の報告をして謝罪してきた。

 

彼は鈍感な上司と寛大な妻のおかげですべてを失わずに済んだ。

 

多くの男が家庭を温存しながら恋を継続することを望む。

 

理由は子供と答える人も多いが、子供がいない人も同じように行動するところを見ると、必ずしもそれが理由ではない。

 

第2章 男と不倫の微妙な関係

 

男たちが置かれている状況
結婚生活で100%満たされていれば浮気をする確率は低い。

 

逆に言うと満たされなくなりやすい時期が危ない。

 

一つは30代後半。結婚生活は安定するが、男として先が見えてきて、焦りを感じやすい。

 

もうひとつは、40代後半~50代。

 

30代後半よりさらに不安と焦りに晒され、一方で子供も成長して一段落する。

 

一方で妻は更年期を迎え、夫の世話もしなくなり、男が孤独を感じやすい。

 

アジアの国に単身赴任して、娘と同い年の現地の女性とつきあっている52歳の男性の事例。

 

妻・娘・恋人がいてこそ男は幸せになれるというのが持論で、修羅場をくぐっても、若い女との浮気を繰り返す30代後半の男の例。

 

常に恋人の存在があることによって、男であることを確認したいタイプである。

 

浮気する男、しない男
男が浮気する生き物であることを色々理屈づけようとする風潮があるが、結局は個人差だと考える。

 

浮気する男としない男がいるのは、男でいたいかどうかの差だ。

 

不倫はしないという男もいる。

 

その理由は、面倒くさい、職場で御法度、家庭を壊したくない、金がない、相手がいると思えない、などさまざまだが、男を降りるのはいかがなものか?

 

風俗は行くが不倫はしないという人もいるが、実は恋愛への憧れは強いのではないか?

 

不倫否定派でもある日、突然恋に落ちることはある。

 

バーで知り合った30代後半のバツイチ女性とつきあった50代前半の男性の例。

 

好きな女性とひとつになる素晴らしさを実感しているが、離婚するエネルギーはなく、このまま続けたいと考えている。

 

もし彼女に会わなかったら「俺の人生、損した」と思いながら、くたびれた中高年になっていたと思う、とのこと。

 

浮気に罪悪感がない恋愛謳歌型の男も悩みはある。

 

それは「泊って行ってほしい」「一緒に旅行したい」「誕生日を一緒に祝いたい」「初詣に行きたい」といった希望を叶えてやれないこと。

 

結婚してるのを承知で付き合い出しても、女はそういうことを言い出し、男は希望的観測で生返事をし、結局できなくてもめる。

 

男がとことんかかわりたくなる女性
男は浮気相手に自立した女性を望むが、自分の経済力等で解決できる範囲なら、時々甘えたり、わがままを言ってほしいものでもある。

 

そして、時にはとことん面倒を見ることもある。

 

乳がんになった女性を、相手の家族に「既婚者でしょ?」と言われながらも、とことん看病した男性の事例。

 

20代末から40歳になるまで12年間も相手を付き合わせてしまい、ちょっと責任を感じている男性の事例。

 

不倫する男は嫉妬深い?の謎
仕事を中心に置きながら、縛られずに自由に生きたい女性には、既婚者との関係は都合のいい恋愛でもある。

 

しかし、男の側が激しく嫉妬することも多い。

 

「離婚して再婚するつもりだ」などと言っていつまでも実行しなかったりする一方で、独身の浮気相手の浮気を疑う。

 

第3章 男が不倫の恋で得るもの、失うもの

三角関係という言葉があるが、女と女が線でつながるから揉め事が起きる。つながらないように配慮するのが男の器。

 

うまく不倫できる男は、両者にマメに気をつかっている。

 

彼女と旅行はしない、写真は撮らない、着信履歴は削除、相手のメール名は男性の偽名・・・・

 

やり方はそんな風に隠蔽工作を徹底するものから、結構自然にオープンにやるものまで、当人のキャラにより様々。

 

しかし、軽率な扱いをすると女を追い詰め、危険なことにもなる。

 

恋すると妻との生活は変わるか
バレないために、浮気した夜は必ず妻を抱くことを自分に課している男性もいる。

 

一方で、世間話中にふと余計な事を言って追及され、しどろもどろになる男性もいる。

 

バレないように自分を訓練する人と、できない人がいる。

 

揺れる男心
30前の恋人がいる妻子ある男性の事例。

 

妻との関係は悪くなく、相手に非はないので離婚は切り出せない。

 

家庭を捨てて彼女の元に走れば、子供との関係悪化や訴訟なども予想され、新生活も結局楽しめないだろう。

 

そうやって何度もシミュレーションした挙句、何も行動を起こせず、ずるずると続けている。

 

彼が耳にした別の事例。

 

浮気が原因で別れた後に妻と再会し、改めて魅力を認識して復縁した事例。

 

男の不覚
20代後半の同僚女性と浮気した妻子ある男性の事例。

 

交際早々旅行して二人で撮った写真が妻に見つかり、よせばいいのに自分から下手な言い訳をする。

 

恐くなって慎重にやろうと思う。

 

相手は通勤経路に部屋を借り、セックスの相性もよくて、頻繁に通う。

 

やがて彼女が精神のバランスを崩し、飛び降り自殺未遂を起こし、それをかろうじて止める。

 

相手の両親は激怒し、自分も会社をやめざるを得なくなり、妻子は実家に帰ることに。

 

やがて妻子は戻ってきてくれたが、深い傷が残った。

 

恋人が彼を見捨てるとき
10歳年下の同僚と3年も不倫を続け、離婚話が進んでいるようなウソをついてきた男性の事例。

 

40歳の時、彼女に「もう別れる」と言われてついに離婚を切り出した。

 

妻は意外にあっさり応じたが、経済的条件は厳しかった。

 

彼女に実情を話すとだんだん避けるようになった。

 

ある日、部下の男性に結婚式に出てくれと言われ、相手が彼女と知って驚いた。

 

彼女は将来の経済を悲観し、周囲に祝福されない結婚が怖くなって、急遽相手を乗り換えたのだった。

 

男は浮気相手と結婚するために離婚したのに捨てられ、仕事への覇気もなくなってしまった。

 

妻は夫の不倫をどう見るか
週末はごろごろしていた46歳の夫が急に毎週出かけるように。そして外泊。そしてついに口紅のついた下着を発見。

 

普段は冷静な妻が問い詰めて半狂乱になった。

 

その後、夫はなぜか妻の分までシューズを買ってきて、二人でウォーキングをするようになった。

 

夫は外出をやめ、ウォーキングをしながら妻の気持ちに関心を向けるようになった。

 

失いかけてはじめて大切なものに気づいたのか。

 

妻は穏やかな日々を送りながらも、いつか、あれは何だったのか、相手はどうなったのか、聞いてみたいと思っている。

 

さて、既婚女性では自分は不倫をしてはいけないと考えている人は意外に多い。

 

「結婚したら恋愛はしてはいけない」と考える男が少ないのと対照的。

 

しかし、自分に言い聞かせているようなもので、実際にタガが外れたら止められないのではないか。

 

不倫が原因で家庭が壊れることも多いが、ある離婚弁護士によれば、夫婦関係が破綻しつつあるところに恋人ができたというケースの方が多いとのこと。

 

恋人は何を感じているか
「いけないことをしてるという自覚はある。だけど好きになった人にたまたま家庭があっただけ。」は不倫する女性の常套句。

 

しかし、居直ったり、妻の悪口を言ったりするのは違うのでは?というのが著者の意見。

 

「別れなくちゃいけないと思う。いつか終わりのくる関係だとわかっているから。だけど別れられない。」

 

これについても、無理に別れることはないのではないかという。

 

大人の女性として適切な距離を取りながら、時々自分の本当の望みと合ってるか検証もしながら、自然につきあっていけばよいというのが著者の考え。

 

第4章 不倫の恋に苦しむ男たちの実態

 

家庭ある男性と独身女性
仕事のできる同僚女性と結婚した人の事例。

 

妻は抜擢されて仕事漬けになり、淋しい思いをするようになって、控えめな後輩女性と不倫がスタート。

 

妻が実家に帰っている間に不倫旅行、しかし夫に連絡がつかないのが心配になった妻が急遽早めに帰宅したことで不倫が発覚。

 

社内で噂になっていた相手のことを問い詰め、白状させるとあっさり離婚を決定。

 

夫はその日から不倫相手の家で寝泊まりするよう言われた。

 

妻が退職を申し出たところ、会社が引き留めたので、「それなら夫の方をやめさせてほしい」と要請。

 

会社は戦力である彼女を取り、男もその彼女も退職。

 

再婚して夫の実家に行ったが、再就職先は見つからず、妻も姑と合わない。

 

そこで妻の実家の家業を手伝うことにしたが、人間関係がうまくいかず、仕事に情熱も持てない。

 

今は妻がスナック勤めをし、その両親の出資で店を持つ予定。

 

夫は会計士の資格を取る勉強をしている。

 

ダブル不倫
異業種交流会で知り合った、ともに家庭がある二人。

 

妙にウマが合って二人で逢うようになり、ある日、男からセックスしたいと持ち掛けた。

 

女は「同じ気持ちだが、本当にやれるか、やって後悔しないか確信が持てないので時間がほしい」と答えた。

 

1か月後、二人は結ばれ、どんどん深い関係になっていった。

 

男は軽い気持ちで浮気したことは何度かあったが、本気になったのは初めてなので、妻子に罪悪感を抱いた。

 

周囲の人たちを裏切って、二人で結婚することはできない。

 

こんな形を続ける方が不誠実という考えもあるが、現実問題として子供たちに深刻な影響が懸念される。

 

別れようとしたこともあるが、無理と悟り、死ぬしかないとも考えたが、それもよくないと判断した。

 

行けるところまで行こう、そして子供が成人したら結婚しようと決めた。

 

全体のバランスを取って、いい状態を維持しようとする判断をしている事例といえる。

 

しかし、相手の女性がバランスの取れない人だと大変なことになる。

 

20歳下の女性と不倫関係になったが、相手が別れて結婚してくれといいだし、自宅への頻繁な電話など、ストーカー地味たことを始めた。

 

やむなく相手の旦那に会うと、自分より10年上、つまり妻より30も年上で、前妻と離婚していっしょになったのだという。

 

「忙しくて構ってやれない時期があってそんなことになったようだ。私が言ってきかす。」という意外な対応。

 

それで事態は収束したが、この男性はとても反省している。

 

非常に年の離れた男性しか安心できず、家庭のある男性に近づいては、家庭を壊すことに力を注いでいる女性もいるので注意。

 

独身男性と既婚女性
既婚で2人の子がいる8歳年上の同僚女性と不倫になってしまった20代男性の事例。

 

失恋して落ち込んでいるのを励ましてくれたのが、付き合うきっかけになった。

 

やがで男性は夫に敵愾心を燃やし、この妻を奪いたいと思うようになった。

 

女性は子供がいるし無理と断るが、体の相性もよくて関係を断てない。

 

ついに旦那に発覚して離婚成立。

 

しかし、それを告げた途端に男性には現実が見えて一瞬躊躇し、それを見抜かれた。

 

実はその頃、女性は男性の子供を流産していて、二人が結ばれる運命にないことを悟っていた。

 

こうして女性は、家庭を失い、不倫の愛も見限った。

 

既婚男性と独身女性(子供ができてしまった場合)
仕事で知り合った女性と不倫関係になり、子供ができてしまった男性の事例。

 

第一印象は理屈っぽくて嫌いだったが、偶然に劇場で会った。彼女は昔、演劇をやっていた。

 

それからいっしょに観劇などするようになり、男女の関係に。

 

家庭生活には満足していたが、それに新鮮なプラスアルファが加わった感じ。

 

相手女性も大人で、家庭に一切迷惑をかけない姿勢が一貫していて助かった。

 

しかし、思いがけず、彼女は妊娠する。

 

女から「産むので別れよう、認知は要らない」と言われ、男は悩む。

 

結局、別れない、出産はまかせる、認知はなし、ということで話がまとまる。

 

子供が生まれ、女は一人で育てる覚悟をしているが、このことを妻子はまだ知らない。

 

いつか話さねばならないが、どう話せばいいのだろう?

 

第5章 恋に幕が降りるとき

 

不倫の恋の結末
不倫に対して別れるか、一緒になるかという二者択一を迫る人が多いが、今のまま続けるという選択肢をもっと重視すべきというのが著者の考え方。

 

家庭以外の愛を10年以上続けている男女もいる。

 

不倫の恋を上手に終わらせられる男、終わらせられない男
不倫を終わらせる場合、人妻の方が楽で、独身女性は修羅場になりやすい。

 

14歳年下の部下とできてしまった男性。

 

ある時、女性の父親が倒れて余命いくばくもなくなってから、女性は結婚を報告して親孝行したいと強く思うようになった。

 

男が逃げると女はストーカー化し、ついには会社の組合にセクハラで訴えた。

 

彼女は確かに親の病気で結婚を焦ったが、むしろ親の病気で心が弱っている自分を見捨てて逃げたことが許せなかった。

 

彼女はすでに退職し、会社に残った彼も立場は非常に悪く、できれば転職したいと願っている。

 

相手を軽んじてつきあっている男性は報復される。

 

妻の座ではないけど、恋人の座として気を使い、満足させてあげていたら、別れの時も憎めない奴と思われる。

 

女は別れの時に「トータルでどうだったか?」考える。

 

忘れられない女性とは?
29歳の時に堅実な年下女性と結婚して子供もできたが、30代前半で出会った同じ年の女性に強く惹かれる。

 

先祖代々の土地を売って慰謝料を用意して離婚したが、浮気相手は「昔の男とよりが戻った」と連絡を断ってきた。

 

仕方ないとあきらめていると、自分より年上の男と不倫しているという噂が耳に入った。

 

それでまた彼女への愛がくすぶり始めた。

 

著者は、この女性は物事がうまく行きそうになると不安になって逃げだす「成功不安」ではないかと考えている。

 

このほかにもいくつかの事例。

 

クラミジアを移しておきながら、別れでは慰謝料100万円を請求した女。

 

自分の子を妊娠したと言われて逃げた、家庭教師をしていた家の人妻。

 

周囲の反対で諦めたけど、無理してでも成就させていたら、今の結婚生活よりずっと充実していたと思える、新婚直後に出会った独身女性。

 

恋の傷と未練
35歳の時、7歳下の女性と不倫関係になった男性。

 

相手は情熱的で、セックスも激しくて、虜になった。

 

ところがある日、突然連絡を断ってきた。

 

探しまくってやっと見つけ、その後、別の男と付き合っているのを知り、現場になぐりこみ。

 

警察沙汰になり、店に弁償もさせられた。

 

その後も半狂乱のストーカー状態だったが、偶然立ち寄った精神科医に薬を処方された。

 

3カ月、医者に通ってようやく気持ちが収まった。

 

親友の妻と関係して、不倫愛も友情も失った別の男性の事例。

 

双方の家族で一緒に海に行き、深夜の屋上で求め合ってしまったのが始まりだった。

 

その後、関係が続いたが、ある時、待ち合わせ場所に親友が現れて絶交を告げられた。

 

妻を殴って入院させ、離婚したらしい。

 

彼だけが家庭を保持し、ぬくぬくと幸せを維持していることに、罪悪感を抱いている。

 

不倫の恋を終えた男たち
不倫の経験で男たちが得たもの。

 

人の気持ちがわかるようになった、エネルギーになった、人生の宝石箱云々。

 

人を好きになることで人生は豊かになる。