「浮気の言い訳」姫野友美 著の要約|医学博士。男女の考え方のさまざまな違いを脳の性差で説明

「浮気の言い訳」姫野友美 著の要約|医学博士。男女の考え方のさまざまな違いを脳の性差で説明

「浮気の言い訳」

浮気や離婚の関連書籍の要約を紹介するコーナーです。

 

今回の本は下記。

 

「浮気の言い訳」 
心療内科医・医学博士 姫野友美 著 角川文庫 680円(税別)

 

 

男女の考え方のさまざまな違いを脳の性差で説明した本。

 

 

まえがき

男の脳は解決を求めるのに対し、女の脳は共感を求め、話を聞いてもらうだけで解決がなくとも満足する傾向にある。

 

お互い違うのだと認め合うことで喧嘩や離婚が少しでも減れば、と思い、この本を書いた。

 

第1章 女性はやっぱり怖い生き物?!

トラブルの記憶に関して、女性はバケツ、男はざる。男性が気づかないうちに不満を貯めこみ、ある日爆発する。

 

ハーバード大学の研究によれば、男女で感情を処理する脳の場所が違うという。

 

 

男は「種をばらまく性」だから、結婚はゴールで、釣った魚にエサはやらないようになりやすい。

 

しかし「産み育てる性」である女にとって結婚はスタート。なのに急に報酬が減ると不満を持ちやすい。

 

 

女性はグチという不満のはけ口が大切。黙ってため込むようになったら、それこそ危険。

 

 

女性は小さな幸せがたくさんあるのが好き。サプライズを好むのはこれによる。

 

あまり大きな幸せを手にすると、それに見合う大きな不幸が待っているのでは、と不安になる。

 

 

女にとってはメールは会話の延長なので頻繁で反応も早いが、男にとっては手紙。

 

脳の構造がマルチタスク型の女と集中シングルタスク型の男という違いもある。

 

女のメールに全部付き合うのは男には大変。

 

解決策として、「うれしいメール」(何かをほめるとか)を出しておけば、メールの数を減らし、反応を遅くしても大丈夫。

 

 

女性は男を確保しておくことが身の保全につながるので、本能的に浮気調査が得意。

 

 

男は明日大きな獲物を狩ることを夢見る生き物だったし、そのため現状の苦境には楽観的である。

 

女はそうではない。計算高く、大きな夢より目先の現実を重視するのも、性本能に根差している。

 

第2章 男性の浮気、女性の浮気調査

 

男性はなぜほかの女性を目で追うのか?
性欲を感じる仕組みは、視床下部の本能的衝動と大脳皮質の判断の2段階。

 

男は前者、女は後者の比率が大きい。

 

男がデート中でもきれいな女を目で追ってしまうのは、性のハンターである男の本能でやっていること。

 

女は受け止める性としてよりよい遺伝子を手に入れるため、簡単に高まらないし、相手を大脳皮質で審査するようにできている。

 

女性はなぜセックス中も会話したがる?
男性の性欲は視床下部中心の本能的なもので、ポルノなど視覚で興奮する。

 

女性の性欲は大脳皮質中心なので、ロマンス、コミュニケーションなどで興奮する。

 

女性にとってセックス中の会話は重要で、関係性の確認の延長上にセックスがあり、また会話自体がドーパミンを分泌させて快感を増す。

 

だから黙ってセックスする男は嫌われる。

 

結婚生活の成否を握るのも、また会話である。

 

男はなぜ「オレに気がある」と勘違いするのか?
男は種をばらまく性なので、常に性的バイアスのかかった目で女をみている。

 

アメリカで学生を対象に行われた実験がこれを示している。

 

女子学生が教授の部屋を訪れてレポート提出期限の延期をお願いするビデオを見せて、女子学生の態度に対する感想を問う物。

 

単に友好的に振舞ったと解釈した人が男女ともに一番多かったが、セクシーに振舞った、教授を誘惑した、と解釈した人は男子の方が女子より大幅に多かった。

 

このように男性は常に女性の振る舞いを拡大解釈してセックスを期待する。

 

そういう生き物だと心得るべし。

 

女性はなぜ自分の浮気願望を否定するのか?
男性は同性の浮気を羨望の目で見て、あまり非難はしない。

 

女性は浮気を激しく非難する傾向にある。

 

多くの男性が人妻と浮気をしているということは女性が応じているということなのに、その事実に目を背ける理由は何か?

 

鳥は一夫一妻制の種も多いが、優れたオスが現れた場合は浮気をし、その子供を夫に育てさせていることがよくあるとわかった。

 

人間の女性も同じ志向を持っている可能性がある。

 

優れた遺伝子を手に入れたいと同時に、日常の生活は夫に守ってもらいたい。

 

多くの女性が安定と刺激の両立を望んでいる。

 

主婦が男性アイドルに夢中になったりするのは、代償行為である。

 

しかし、実際には多くの女性は浮気をしない。

 

心ときめく白馬の王子と恋ができるのは少数派であり、願望が非現実的なら、安定した生活を守るために、浮気は否定せねばならない。

 

女性が浮気を否定するのは、倫理・道徳からではなく、こういう打算的な心理である。

 

女性の浮気がたちが悪い、発見しづらいと言われるのは、男性のように本能でやっているわけでなく、大脳皮質で計算された行動だからである。

 

男女で「許せる浮気」に差があるのはなぜか?
男性は女性の「精神的な浮気」は許せるが、「肉体的な浮気」は許せない。

 

女性は男性の「肉体的な浮気」は許せるが、「精神的な浮気」は許せない、という傾向がある。

 

これは生物としての性差に基づく本能的なもの。

 

男性は配偶者の肉体を保全しておかないと他の男の遺伝子を植え付けられかねないし、子供が自分の子かどうかもわからなくなる。

 

女性は生活を確保することが大切で、稼ぎ手の心をつなぎ留めておくことが重要。

 

これを応用すると、男性の浮気が発覚した場合、肉体だけの関係なら許してもらえる可能性がある。

 

本命の女性との仲を回復したいなら、「心は君に捧げている」をしつこく繰り返すこと。

 

第3章 なぜ女性は美しさに縛られ、男性は引きこもるのか?

 

女性はなぜ美しくなりたがるのか?
男性も女性も、美しさは性ホルモンが分泌されて生殖能力が高いことを意味する。

 

男性は「男は中身が大切」と思い込みたいので、女性ほどには外見にエネルギーを注がないだけ。

 

男性はなぜか弱い女性を好きになる?
女性は何かにつけ、男性に助けを求める。

 

助けた側が相手を好きになる傾向があり、女はしばしばこれを利用して好きな相手に近づく。

 

男性の心には「英雄」、女性の心には「救出されるお姫様」が刷り込まれている。

 

女性は子供を育てる都合上、コミュニティに拘束されており、外の世界に連れ出してくれるのは英雄だけである。

 

女は「自分を助けなかった人」のことは長く記憶にとどめる。

 

女性はなぜ痩せたがるのか?
客観的にはダイエットの必要などないのに痩せたがる女性が多い。

 

彼女たちに共通するのは、「みんなと同じようにきれいになりたい」という思い。

 

狩猟採集時代、男は狩に出て、女は結束して村を守った。

 

その記憶で、女性は群れの仲間から脱落したくない。

 

また、痩せている方が男性に愛される可能性も高まる。

 

男性はなせおしゃべりではない?
昔は、男は寡黙がいいとされたが、今は話が面白いことが求められる。

 

しかし、男女は脳の構造が違い、男は論理的に深く追求することに向いていて、おしゃべりに向いていない。

 

寡黙な男を切り捨てず、脳の性差を理解して、互いに歩み寄ることである。

 

男性はなぜ引きこもる?
動物実験でも人間でも、ストレスにさらされると、オスは引きこもり、メスは摂食障害になる傾向が強い。

 

これは競争回避行動。

 

ストレスと無縁な安全な場所は、女にとっては美(痩せて美しくなれば救われる)であり、男にとっては自分の家である。

 

競争を回避すれば、女は「産み育てる性」を、男は「ばらまく性」を放棄することになる。

 

ただし、女性の拒食症については別の原因もある。

 

拒食症になる女性には、独立心が強く、成績優秀で、容姿端麗な人も多いからだ。

 

第4章 人生はなぜこうもすれ違うのか?

 

男女で結婚観はなぜ違う?
結婚しない女、結婚できない男が増えている。

 

女性は、婚期を逸したキャリアウーマンが多く、結婚相手に現実離れした高い理想を求める。

 

男性はおとないしくて自分の趣味の世界に生きる人が多い。

 

お互いに自分の理想像に振り回されていて、決して交わることがない。

 

しかし、男女はいったん武装解除して結婚してみないと何も始まらない。

 

結婚してダメだったら、別れればいいだけのことだ。

 

女性はなぜ田舎暮らしの夢についていけない?
田舎暮らしの夢の相談が離婚の相談になってしまう男性は多い。

 

実現しても、男は夢の晴耕雨読だが、女はうつ病気味になりやすい。

 

男は満足できる世界ができればそこに籠れるが、女はコミュニティが不可欠。

 

女性が田舎暮らしを嫌う理由は、色とりどりの物を好む視覚の性差もあるという。

 

また、男性は狭い世界で何かを突き詰めたい「閉じた脳」。

 

女性はみんなに愛されたい「開いた脳」。

 

人からどう見られるかを気にし、おしゃべりがない世界では生きられない。

 

このように男女は脳が違うが、違いを認め合ってともに生きていこう。

 

例えば、いざという時に女は強く、男は案外ストレスに弱い。

 

男は財産、地位、名誉などを失うと自殺したりするが、女はしぶとく生き残る。

 

男ばかりが優れているわけではないので、もっと柔軟な生き方を見につけていこう。

 

女性はなぜ無意識に男性を傷つける?
女性にとって自分の弱さを見せることは共感を得るための手段だが、男性にとっては致命的と思えることである。

 

男性は自分の弱みを指摘されたくない。

 

弱みを打ち明ける時は一大決心をしているのだが、女性はそれに気づかない。

 

男性は心のもやもやを言語化するのが苦手で、それがたまって突然死、過労死、自殺などに至るのは、男性が圧倒的に多い。

 

男性は感情の言語化に努力すべきだし、女性は男性のプライドをもっと大切にすべきである。

 

男性はなぜ辛いといえない?
ストレスを感じた時にほしいものは男女ともに共感してくれる相手。

 

相手の性を尊重した関係を結ぼう。